October 17, 2018 / 5:39 AM / a month ago

焦点:人民元安、投資家の視野に入る「1ドル=7元」の節目

[上海/香港 16日 ロイター] - 中国政府は公式見解として通貨安を求めないと主張している。しかし同国が強力な金融緩和を推進し、基調的なドル高が続いていることから、人民元は今後さらに下落するというのが投資家の予想だ。

10月16日、中国政府は公式見解として通貨安を求めないと主張している。北京で2016年1月撮影(2018年 ロイター/Jason Lee)

人民元の対ドル下落率は、米中が最初に輸入関税を相互に発動した3月以降、既に10%に達する。

一方で、人民元の実効レートは小幅安にとどまり、人民銀行(中央銀行)は毎日の基準値設定で元安が好ましいとのシグナルを発していると絶対に受け止められないよう八方工夫している。

それでも人民銀の易綱総裁が金融緩和を継続する決意を繰り返していることなどから、投資家は人民元が今の水準から1%前後値下がりし、節目の1ドル=7元に向かうと見込む。

オフショア人民元のフォワード取引やオプション市場でも、2008─09年の世界金融危機の場面以来目にされていない1ドル=7元ちょうど、ないしそれよりも元安を目指すとの見方が広がりつつあることが分かる。

みずほ銀行のシニア・アジアFXストラテジスト、ケン・チュン氏は、人民銀が「15年や16年と異なり、為替レートを支えるためのタカ派的な姿勢を打ち出していない。両年の場合は、さらなる元安になる根拠は見当たらないとの見解を再三表明していた」と話す。

その上で「当時、市場関係者は人民銀が元を安定させる能力に疑問を持ったが、安定させるという意思は確かにあるとみなしていた。今は話が逆で、人民銀の戦略は日々の基準値で元を下げ方向に誘導するというものだ」と指摘した。

過去1年間で、中国は成長減速や株価急落を受け、債務削減の取り組みを弱め、金融環境を緩和してきた。15─16年の元安局面で、資本規制導入や通貨支援を狙った金利政策を行っていたのとは様変わりしている。

人民銀の易綱総裁は、中国が「(通貨の)切り下げ競争には関与せず、貿易摩擦の対応策として為替レートを用いない」と強調し、元の価値を「おおむね安定」させ続けると発言しつつも、元相場形成においては市場が「決定的な役割」を今後も果たすとくぎを刺した。

市場の相場観を知る最も有力な指標とされる元の1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は16日、7.02元と足元の水準を約1.2%下回った。

リスク認識の方向性を示すオプション市場のリスクリバーサル・スプレッドからは、投資家が元安に賭ける取引に高いプレミアムを払っていることがうかがえる。

もっともクレディ・スイスのシニア・アジア太平洋投資ストラテジスト、ジャック・シウ氏は、今のオプション市場の元に対する弱気の度合いは16年初めに比べるとかなり小さいと分析。目先は先行き不透明感から1ドル=7元よりも元安に振れるかもしれないとはいえ、クレディ・スイスとしては3カ月後は6.95元に落ち着き、1年後には6.85元まで持ち直すとみている。

大和総研の齋藤尚登主席研究員は、元安はドル高の側面が強いと述べるとともに、一部で中国は1ドル=7元の水準を守らなければならないとの声があるが、実際にはそれ以上に元安になることを心配する意味はないと付け加えた。

(Andrew Galbraith、Noah Sin記者)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below