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コラム

コラム:ロシア対応「綱渡り」の中国、制裁の火の粉浴びる危険も

[香港 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国はロシアへの対応で綱渡りを強いられており、しかも足を踏み外す危険がどんどん高まっている。中国は、石油輸入量の2割弱をロシアに依存する関係にある。中ロ両国は、欧米がロシアに対して発動した制裁をかいくぐり、大半の貿易取引を人民元建てで決済することは可能だ。だが、中国がロシアを手助けし過ぎると、自らも火の粉を浴びかねない。いずれにしても中国の銀行は、厳しい立場に置かれるだろう。

 3月1日、中国はロシアへの対応で綱渡りを強いられており、しかも足を踏み外す危険がどんどん高まっている。写真は2019年6月、モスクワに中国の習近平国家主席(左)を迎えたプーチン大統領。代表撮影(2022年 ロイター)

中ロ両国は近年、経済的な結びつきを強めつつある。ロシアにとって中国は最大の貿易相手となり、ロシア中央銀行の外貨準備における人民元の比率は2015年の0.1%から13%にまで高まった。

中国は昨年の対ロ貿易収支が120億ドルの赤字で、ロシアから400億ドル相当の石油を輸入。これは全輸入量の16%に上った。今年2月には、ロシア産天然ガスを新たなパイプラインを通じて中国に供給する30年間の契約を両国が締結したばかりだ。

欧米のロシアに対する制裁措置には、ロシアの一部銀行を国際銀行間通信協会(SWIFT)のネットワークから排除することや、ロシア政府による外貨準備の利用制限などが含まれており、中ロの経済的な関係はさらに深まらざるを得ない。

その理由の1つとして、中ロの2国間で決済できる仕組みが既に存在する点が挙げられる。中国は2017年、人民元建てとルーブル建ての取引を同時決済するための外為システムを構築した。中国は独自のSWIFTと位置づけられる、人民元の国際決済システム「CIPS」も導入している。

ただ、実際のところ、CIPSは限定的にしか利用されていない。ロシアとの人民元建て貿易で主要決済機関の役割を担っている中国工商銀行などの国有銀行は、依然としてSWIFTへの依存度が非常に大きい。

さらにロシアに肩入れし過ぎて欧米の制裁効果を弱める行動を取った場合、米国や他の西側同盟国の怒りの矛先が中国に向かってもおかしくない。

そのためもあってか、ブルームバーグによると、中国工商銀行はロシアとのドル建て2国間貿易向けの信用状発行を停止している。

中国には幾つかの選択肢がある。例えば、ロシアと国境を接する黒竜江省に拠点を置くハルビン銀行といった中小地銀にロシアとの2国間貿易の決済を任せてしまえば、米国の報復に対してよりぜい弱な大手行のリスクを最小化できるかもしれない。

それでも中国が欧米、ロシア双方とうまく折り合えるための道筋は、日ごとに険しくなってきている。

●背景となるニュース

*少なくとも2つの中国最大手国有銀行は、ロシア産コモディティーの購入に向けて融資を制限している。ブルームバーグが2月25日、関係者の話として伝えた。事情に詳しい2人の関係者によると、中国工商銀行は既に、ロシアの現物コモディティーを買い付ける上で必要となるドル建ての信用状発行を停止した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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