July 23, 2018 / 5:37 AM / a month ago

アングル:大豆アニメで中国が米農家に直訴、貿易戦争で新戦略

[北京 20日 ロイター] - 米国との貿易戦争が激化する中、中国政府は意外な「武器」に頼ろうとしている。アニメの大豆だ。

 7月20日、米国との貿易戦争が激化する中、中国政府は意外な「武器」に頼ろうとしている。アニメの大豆だ。米イリノイ州の大豆農家で6日撮影(2018年 ロイター/Daniel Acker)

「皆さん、こんにちは。私は大豆。こう見えて、とても重要なんだ」

国営の中国中央テレビ(CCTV)の国際放送部門、中国グローバルテレビネットワーク(CGTN)のウェブサイトに20日掲載された動画の中で、アニメのキャラクターはこう語っている。

動画はこちらから。

中国語の字幕が付いた英語のこの短い動画は、関税が米国産大豆の輸出に与え得る損害を訴えることによって、トランプ米大統領の主な支持者である農業者の間の貿易摩擦への支持を揺さぶる狙いがあるとみられる。

この動画が発表される前の7月6日、米国は中国からの340億ドル(約3.8兆円)相当の輸入品に関税を発動。それを受け、中国も大豆を含む米国からの同額の輸入品に関税を発動した。トランプ大統領はさらに、2000億ドルの中国製品に関税をかけると警告している。

動画に外国人俳優やアニメやラップまで活用し、大げさではない形式で自らの考えを発信しようとする中国共産党の努力が見て取れる。

この風変わりな案内役の起用は、最大貿易相手国との戦いにおいて、中国政府がいかに大豆を強力なツールとして考えているか示している。大豆は米国最大の対中農産物輸出品であり、その額は昨年120億ドルに上った。

動画には教育的側面もあるが、主な狙いは政治的なメッセージを伝えることだ。

動画では、大豆が豆腐や飼料、ビスケットの主な原料であると説明した後、大豆のキャラクターは貿易戦争の主役であることに話の重点を移す。

もし価格が高すぎるようになれば、中国はアルゼンチンやブラジルなど他の輸出国から大豆を輸入することもできると大豆キャラクターは主張。

だが価格下落や輸出減は米国の大豆農家を直撃し、米国産の先物価格Sv1は5月から7月初めに18%低下し、今年の最低水準となっていると指摘する。

2016年の米大統領選で、大豆生産量で上位10州のうち9州がトランプ氏を支持したと、動画は指摘。

「収入源が直撃されても、そうした州の有権者は再びトランプ氏や共和党を支持するだろうか」と、大豆キャラクターは問いかける。

動画では、中国で大豆かす価格DSMcv1が上昇し、食糧価格の高騰への懸念を引き起こしていることには触れていない。養豚業者にとって、大豆かすは不可欠な飼料原料であり、中国は世界最大の豚肉消費国だ。

大豆が米中貿易摩擦で主役となったのは今回が初めてではない。中国のソーシャルメディアでは、関税が発動する前に中国に到着しようとする米国産大豆を積んだカーゴ船の応援に沸いた。

(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)

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