July 25, 2018 / 3:15 AM / 3 months ago

焦点:中国株の「大暴落」懸念は行き過ぎか、市場の見方交錯

[上海/ベンガルール 24日 ロイター] - 米中の貿易を巡る応酬が続く中、今年の中国株急落が大暴落に変わるとの懸念は大げさだと一部の投資家は指摘する。

 7月24日、米中の貿易を巡る応酬が続く中、今年の中国株急落が大暴落に変わるとの懸念は大げさだと一部の投資家は指摘する。上海の証券会社で6日撮影(2018年 ロイター/Aly Song)

2019年の企業業績について、株式市場はすでにアナリスト予想を超える落ち込みを織り込んでおり、これは投資家が過度に悲観的であることを示唆していると、一部のファンドマネジャーや投資家、株式アナリストは指摘する。

実際には、中国株が下落する可能性は限定的だと彼らは予想しており、その理由として歴史的に見ても低めのバリュエーションであることと、一部の投資家が再び株を買い始めている兆候があることを挙げている。

上海総合指数.SSECは7月初めまでに18.6%下落して2691にまで落ち込み、世界の主要指数の中で最悪のパフォーマンスとなった。以降、24日終値時点で2905まで徐々に値を戻している。

「なぜ市場がこれほど弱気なのか。その理由は、投資家が悲観的になっているからだ。より正確に言えば、悲観的すぎるからだ」と、上海マイノリティー・インベストメント・マネジメントの創設者、Zhou Liang氏は言う。同ファンドは主に、銀行や保険会社、住宅開発業者に投資している。

実際、2018年の業績予想に基づく上海株構成銘柄の予想株価収益率(PER)は10倍程度で、2015年の金融危機の動揺冷めやらぬ2016年初めに起きたパニック売り以降で最低の水準となっている。また、米国株の予想PERよりも40%低い。

今年、中国株が下げたのは、世界第2位の経済大国である中国の経済減速が、米国との貿易戦争によって一段と悪化するのではないかとの懸念が原因となっている。

トランプ米大統領は、貿易を巡りいくつかの国に対して強硬姿勢をとっており、中国からの一部輸入品に関税を適用し、残りの中国製品に関しても関税をかけると脅している。

こうした要因が2019年の企業業績見通しに過度に悲観的な見方をもたらしていると、仏銀行大手ソシエテ・ジェネラルは指摘する。

「マーケットは来年の企業業績が5%低下するとみている」と同行はリサーチノートの中で指摘。一方、アナリスト予想では平均13%の上昇を見込んでいる。

「さらなる下落は(中国経済が)ハードランディング・シナリオと一致した場合だけだろう。その場合、業績モメンタムはネガティブに転じ、向こう2年間は成長が見込めない」

<底値買い>

UBS証券の中国戦略責任者、Gao Ting氏は、中国の経済成長が急減速することを中国の株価は示唆していると語る。

その上で、「興味深いことに、われわれが目にしている全体的な状況は、ファンダメンタルズの点でも、企業収益の点でも、それほどひどくはない」と同氏は言う。

中国は先週、第2・四半期の経済成長率が第1・四半期の6.8%から6.7%に減速したと発表。ただ、大半のエコノミストは、今年の目標である6.5%程度の成長率を達成できるとみている。

低いバリュエーションが押し目買いを招いている兆しが見える中、上場投資信託(ETF)の中国CSI500ETF(510500.SS)は、運用資産残高(AUM)が7月13日で終わる週に260億元(約4250億円)に達し、過去最高値を更新した。同ETFは、多くの機関投資家が幅広い優良株へのエクスポージャーを高めるために利用している。

上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数.CSI300に連動する華泰柏瑞滬深300ETF(510300.SS)の運用資産残高は、第1・四半期終わりの221億元から、7月半ばには230億元に増加した。同期間に株式相場が12%下落したにもかかわらずだ。

一部の資金は外国人投資家から流入している。相互取引制度の下、香港株式市場から上海株式市場と深セン株式市場への投資は、6月後半の純流出から7月前半には純流入に転じた。

「大きな経済危機や金融危機が起きなければ、われわれは新たな歴史的底値にある」と、中銀国際(BOCI)は指摘している。

<急ぐ必要なし>

とはいえ、慎重な姿勢を崩さない投資家もいる。米中貿易戦争の可能性とその展開次第では見通しがあまりに予測不可能になりかねないことがその一因だ。

バリュエーションの低さが、前例のない政治的不確実性を覆い隠していると、上海エントロピー・アセット・マネジメントの会長を務めるXie Donghai氏は指摘する。

「今年最大の不確実性は政治だ」と同氏は言う。「個別銘柄への投資リスクは非常に大きく、そのようなリスクは想像を超えている」

たとえ中国株が底を打っているとしても急いで投資する必要はないと、交銀国際(BOCOMインターナショナル)のチーフストラテジスト、Hong Hao氏は言う。その理由として、中国株式市場の周期は歴史的に見て、急騰はあっても谷は浅く、長引く傾向であることを挙げた。

「極端な水準でない限り、バリュエーションは使わない方がいい」と、同氏は最近開かれた会議でこう述べた。

「トレーディングリスクとの付き合い方をわれわれは知るべきだ。ポーカーのテキサス・ホールデムと似ている。オールイン(全額勝負)しなければ、無一文になる恐れがある」

(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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