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アングル:中国で膨らむ株式証拠金取引、ボラティリティ拡大でリスクも
2014年12月10日 / 04:17 / 3年後

アングル:中国で膨らむ株式証拠金取引、ボラティリティ拡大でリスクも

[上海 10日 ロイター] - 中国では、今こそ低利の資金を大量に借り入れ、株価上昇に乗じてもうける機会だと考える人が多いようだ。証券金融サイトは、少ない証拠金で高いレバレッジを利用できるとうたって株式投資を勧誘。あるサイトは、最低証拠金をわずか2000元(323ドル)に設定してその10倍まで借り入れて株式の現物や先物の購入が可能だとしている。

 12月10日、中国では、今こそ低利の資金を大量に借り入れ、株価上昇に乗じてもうける機会だと考える人が多いようだ。北京で11月撮影(2014年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

こうした証券金融の需要には事欠かない。というのも、ここ数週間は中国の主要株が過去最高の出来高を記録し、平均すると12営業日で30%を超える上昇となっているのだ。

中国の株式取引の60─80%を占める一般投資家は、11月21日に人民銀行(中央銀行)が予想外の利下げに動いて以来、大挙して株式市場に押し寄せ、証券会社やシャドーバンキング(影の銀行)部門も証拠金取引による借入資金を提供することで、こうした投資家を積極的に後押しするようになった。

NSBOのオリバー・バロン氏は9日の調査ノートに「最近の株高において証拠金取引が大きな役割を果たしているのは明らかで、政府は心配している」と記し、8日の証拠金取引による株式購入額は1640億元(265億ドル)と中国株の総出来高の17%に達したと推定している。

証拠金取引の規制は過去2年間で次第に緩和されてきた。こうした取引は株高局面では投資家が少額の資金で大きな利益を稼げるとはいえ、株価下落の際には大きなリスクを伴う。

9日には上海総合指数.SSECが5%を超える値下がりとなったことで、早くも証拠金取引でリスクを引き受けたことを後悔した投資家もいたかもしれない。

<追証リスク>

株式市場が不安定な状態では、小口投資家は通常よりもずっと窮地に陥りやすくなる。

ガベカル・ドラゴノミクスのアナリスト、トマス・ガトリー氏は「株式の振れ幅は上げが1、2%、下げが3,4%とまさに混沌としている」と指摘し、証拠金取引が少なくともボラティリティを高めた一因だとの見方を示した。

その上で株価下落率が5%ないし6%になれば、証拠金取引で株を買った人はすべて証券会社から追加証拠金(追証)の差し入れを迫られることになると警告している。

株高は上場企業やこれから上場しようとしている企業にとっては歓迎すべき現象で、減速する景気をなかなか上向かせられず、住宅価格下落が消費者心理を一段と悪化させる事態を懸念している政府にとっても恐らくは喜ばしいだろう。

それでも政府が望んでいるのは、もっと秩序のある市場だ。

一部からは、9日の大幅な株価の調整は、当局が社債取引の規制強化に乗り出したことに反応した面もあるとの声が聞かれた。規制強化の狙いは、企業が債券発行で調達した資金を株式に投資するのを防ぐことにある。2009年にも同じような行動が株高を演出したが、企業や個人がこぞって低利資金を借り入れて株や不動産に投資した結果、市場の根本を揺るがすような価格暴落が発生した。

もっとも現在の株価はその暴落からなお回復途上で、上海総合指数は09年の高値より12%低く、金融危機前の07年につけた最高値に比べると48%安い水準にある。

(Pete Sweeney記者)

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