[チューリヒ/香港 30日 ロイター] - 中国国有の化学大手、中国化工集団(ケムチャイナ)は、傘下に持つスイスの農薬大手シンジェンタの上海での新規株式公開(IPO)で約100億ドルの調達を目指す。実現すれば、世界的に今年最大規模のIPOとなる。事情に詳しい複数の関係者がロイターに明らかにした。
上海の新興企業向け市場「科創板」に上場後、1年以内に重複上場させる可能性もあり、チューリヒ、ロンドン、ニューヨークなどが候補に挙がっているという。関係者の1人は、香港も検討されているが、最有力候補ではないと述べた。
関係者らによると、シンジェンタの評価額は500億ドル、負債も含めると約600億ドルになる可能性が高い。
ケムチャイナは2017年に430億ドルでシンジェンタを買収。中国による海外企業の買収としては過去最大規模となった。
シンジェンタはその後、イスラエルの農薬企業アダマと中国中化集団(シノケム)の肥料・種子部門と統合した。
ケムチャイナは今年5月、シノケムと経営統合している。
シンジェンタのIPOは、中国の動画投稿アプリ大手、快手科技が香港IPOで調達した62億ドルを上回る見通しだ。また、創設から2年となる科創板のIPO案件としては過去最大になる。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」