April 10, 2018 / 3:34 AM / 15 days ago

アングル:中国ハイテク大手、上場巡り「3つどもえ」の争い

[香港 9日 ロイター] - 中国ハイテク企業の上場誘致を巡っては、昨年の香港取引所(HKEX)(0388.HK)に続き上海・深セン両証券取引所でも上場制度改革が行われる見通しで、ニューヨーク、香港、中国本土による三つどもえの争いになりそうだ。

 4月9日、中国ハイテク企業の上場誘致を巡っては、昨年の香港取引所(HKEX)に続き上海・深セン両証券取引所でも上場制度改革が行われる見通しで、ニューヨーク、香港、中国本土による三つどもえの争いになりそうだ。写真はHKEX。香港で1月撮影(2018年 ロイター/Bobby Yip)

香港取引所のチャールズ・リー最高経営責任者(CEO)は昨年、創設から日の浅いハイテク企業について、普通株よりも議決権の多い株式を発行する加重投票権の所有構造を持つ企業の上場を認めると発表。香港とニューヨークが対決するとの観測が広まった。

しかしこの構図に中国自身が割り込んだ。政府は3月30日、上海証券取引所と深セン証券取引所で中国ハイテク大手の上場誘致を促すための試験的な制度導入を公表した。また、百度(バイドゥ)(BIDU.O)、アリババ・グループ(BABA.N)、京東商城(JDドットコム)(JD.O)などハイテク大手についてはセカンダリー上場も認めた。

中国のハイテク企業は今後数年間の上場が5000億ドルに達すると推計されており、新規株式公開(IPO)の手数料は米ハイテクセクターを除くと世界最大級。

中国政府は国内の投資家が恩恵を受けられるように、中国ハイテク企業による国内での上場が増えることを期待している。

中国専門の投資銀行バロッホ・グループのロナルド・シュアン会長は「中国は技術革新の促進に取り組んでいる。しかし成功を収めたイノベーション企業がすべて海外で上場すれば、みっともないことになる」と述べた。

一方、香港取引所のリーCEOは、中国本土の取引所との上場誘致合戦の激化という見方に否定的だ。CEOは今月3日の会合で「多くの企業が本土での上場を検討しているのは間違いない。しかしわれわれも香港での上場に意欲を持つ企業群に期待を寄せている」と述べた。その上で「競争は常につきまとうが、本土と香港の資本市場には根本的な違いがあり、直接競合することはない」とした。

香港取引所は第2・四半期に加重投票権制度を導入する見込み。

銀行筋によると、中国本土の取引所が香港取引所とどこまで競えるかは、中国預託証券(CDR)の規則運用に掛かっている。CDRは人民元建てで取引される見通しで、ドル建ての米国預託証券(ADR)や香港ドル建て株式との間で裁定取引の機会が生まれそうだ。中国政府はこの問題について取引所や銀行の関係者とまだ協議を続けている。

中国は本土で取引される個別銘柄の1日の値動きに上下10%の制限を設けおり、この規則がCDRには適用されるとみられる。このため市場関係者の間からは、米国と中国本土の両方に上場した銘柄が、米市場で値動きが10%を超える一方、中国本土では値動きが抑えられるという問題が起きると危惧する声も出ている。

またUBSの試算によると、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)、アリババなど中国のハイテク大手4社が仮に5%株式を中国本土で売り出せば、市場から550億ドルの資金を吸い上げることになり、オンショア市場で流動性が大幅に低下し、他のIPOに支障が生じる恐れもあるという。

(Samuel Shen記者、Julie Zhu記者)

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