August 10, 2019 / 7:59 AM / in 11 days

コラム:中国に近づく経常赤字国の足音、市場開放の契機か

[香港 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - かつて巨額の経常収支黒字を抱えていた中国が、間もなく赤字に転じる可能性がある。外国から資金を呼び込むため、外資系企業に門戸を開く必要が出てくるかもしれない。

 8月7日、かつて巨額の経常収支黒字を抱えていた中国が、間もなく赤字に転じる可能性がある。写真は北京のビジネス街。2018年10月撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)

昨年の中国の経常収支黒字は国内総生産(GDP)の0.4%だった。世界の工場と呼ばれ、この比率が10%超に達していた10年余り前からは様変わりだ。黒字縮小の一因は、石油・半導体価格を含む景気循環的な要因にある。もう1つの重要な要因は、外国旅行する中国人が増えたことで、昨年はサービス輸入5000億ドルの大きな部分を占めた。

これは経常収支赤字が何年間も続く前触れだ。赤字化の主な原因は、GDPの約45%と極端に高い貯蓄率が、高齢化と社会的なセイフティーネットの向上により低下することにある。貯蓄が減る一方で投資が高水準を保つなら、中国はその差を埋めるために資本を輸入することになり、経常収支は赤字に転じる。

モルガン・スタンレーのアナリストらの試算によると、2030年には中国の経常収支赤字がGDP対比1.6%に達する可能性があり、19─30年に少なくとも年間2100億ドルの外国資本の純流入が必要になりそうだ。

政府当局に市場開放を促す契機になるなら、これは歓迎すべきことだろう。特に、今も厳しく制限している銀行など金融産業への外資参入を緩和し、米金融市場から資本を呼び込みやすくする可能性がある。また、証券取引所の接続その他の制度を通じ、外国投資家が購入できる株や債券の種類を増やして国内資本市場へのアクセスを広げるとともに、さらに多くの中国企業に海外での起債を許可しそうだ。

これ以外にも制度改善が勢いづく可能性がある。例えば企業破たん手続きの改善や、国境を越えた資金フローについて予見可能性の高いルールを定めることなどだ。変化の速度は遅いだろう。しかし、これまで外資をさほど必要としなかった国が債務国に転じれば、政府は急いで外国投資家のもてなし方を再考する必要に迫られそうだ。

●背景となるニュース

*中国は5日、1ドル=7元を超える人民元安を容認するとともに、米農産物の購入を停止すると表明した。これに先立ち、トランプ米大統領は9月1日から3000億ドル相当の中国製品に10%の追加関税を課すと突如表明していた。

*米財務省は5日、人民元の下落を受けて中国を為替操作国に認定した。ムニューシン財務長官は、「中国の直近の行動によって生まれた不当な競争上の優位」を取り除くため国際通貨基金(IMF)と協議していくとした。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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