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中国の5月輸入、10年ぶりの大幅伸び コモディティー価格高で

[北京 7日 ロイター] - 中国税関当局が7日公表した5月の貿易統計(ドル建て)は、商品価格高を背景に輸入が10年ぶりの大幅な伸びとなった。

 中国税関当局が7日公表した5月の貿易統計(ドル建て)は、輸出が前年同月比27.9%増となり、伸び率は予想の32.1%を下回った。上海で昨年10月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

一方、輸出は前年同月比27.9%増となり、伸び率は予想の32.1%を下回った。4月は同32.3%増だった。

輸入は同51.1%増。伸び率は前月の43.1%を上回り、2011年1月以来の高水準となった。ただ、予想(51.5%増)は下回った。

貿易収支は455億3000万ドルの黒字。黒字幅は予想の505億ドルを下回ったものの、4月の428億6000万ドルから拡大した。

輸出企業は、原材料価格の高騰や物流のボトルネック、人民元相場の上昇に苦慮している。新型コロナウイルス行動規制の解除に伴う需要増加を背景に、石炭や鉄鉱石などのコモディティー価格は年初から急上昇している。

人民元もここ数週間、ドルに対して3年ぶり高水準近辺に上昇。中国製品の値上がりが今後米消費者の負担となり、貿易黒字に影響が及ぶ可能性がある。

ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、張智威氏は、輸出の伸び鈍化は若干予想外だったと述べ、広東省で新型コロナ感染が広がり、深センと広州の港湾で貨物などの取り扱いに影響が出たことが要因だとの見方を示した。

ただ、影響は一時的なもので、広東省のコロナ感染は数週間以内に終息すると指摘した。

また、Zhonghai Shengrong Capital Managementのチーフエコノミスト、Zhang Yi氏は、供給不足だった半導体の輸入が最近上向いており、関連製品の輸出は下期に高水準になると見通しを示した。

米中両国は2020年1月に「第1段階」の通商合意に調印。バイデン政権は21年末の期限を控え、米中通商政策の包括的な見直しを進めている。

INGの大中華圏担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は、世界的な半導体不足で、中国の半導体関連の輸出品目すべてに悪影響が出始めていると指摘。

最大の輸出品目である自動処理製品・部品の輸出は前年比で4%減少したという。

キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は、輸入価格は急ピッチで上昇したが、輸入量は恐らく5月に小幅に減少したと分析。

「ここでも供給面の制約が一因だ。半導体の輸入が引き続き減少している。工業用金属の輸入もそうだ」と述べた。

ノムラのリポートによると、輸出の2年間の平均伸び率は、4月の36.3%から5月は23.4%に鈍化した。先進国の経済活動再開で、個人用防護具(PPE)や在宅勤務(WFH)関連製品の需要が減り、輸出の勢いが鈍っているという。

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