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コラム

コラム:「データに国境なし」通用せず、米中の締め付けが告げる危険

[ワシントン 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米中両国政府が、米国に上場する中国企業を代わる代わる痛めつけている。6日には配車サービス大手の滴滴出行(ディディ)株が20%余り急落。これは中国当局による審査を受け、中国の各アプリストアがディディのアプリ削除を迫られたためだ。株式市場が好調なため、投資家は楽観的になり過ぎているのかもしれない。しかし米中双方が規制強化をほのめかしている以上、両国政府の動きを無視するのは危険が大きい。

 7月6日、米中両国政府が、米国に上場する中国企業を代わる代わる痛めつけている。写真は滴滴出行のロゴと米国旗のイメージ。ニューヨーク証券取引所で6月撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)

投資家は、中国ハイテク企業の米国上場をはやし続けている。先週にはディディの株価が公開価格から20%上昇した。リフィニティブのデータによると、昨年の中国企業の米上場を通じた資金調達額は120億ドル(約1兆3000億円)強と、2019年のほぼ3倍に達した見込みだ。

ところが足元で中国政府が介入に動き出している。ディディがニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場したほんの数日後、中国サイバースペース管理局がディディのユーザー情報取り扱いについて審査していると表明。6日には海外に上場する中国企業への規制を強化すると政府が発表した。

審査対象には、ともに6月に米国上場を果たしたトラック配車サービスの満幇集団と求人マッチングアプリ運営の看准も含まれている。その余波は、電子商取引最大手アリババとインターネット検索大手バイドゥ(百度)にも、6日の株価下落という形で広がった。

米政府も負けてはいない。今年に入って、中国人民解放軍と関係が深いとみなす中国企業数十社を指定し、中国移動(チャイナモバイル)などの米国上場廃止につながった。3月には米証券取引委員会(SEC)が新ルールを採択し、3年続けて監査基準を守れなかった中国などの外国企業を米国の取引所から閉め出す方針を定めた。

このいずれの措置もトランプ前政権下で着手されたが、バイデン政権も新たな締め付け策の準備を進めている。米議会は、人権侵害を理由に中国企業への処罰を検討しているところだ。

投資家にとって恐ろしいのは、米中が相互に反応し合うようになることだ。例えばの話として、米当局は中国から学び、民泊仲介のエアビーアンドビーなど、米国民と中国国民両方のデータを持つ米企業を取り締まる。すると中国も負けじと米大手企業を叩く。データを握るグローバル企業は国境などないことを知っており、投資家もその点を好む傾向がある。しかし米中の当局が明確な姿勢を示し始めた今、投資家としては注意し始めるのに越したことはない。

●背景となるニュース

*滴滴出行(ディディ)の米上場株が6日朝の時間外取引で一時25%急落した。同社は数日前、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場したばかり。

*中国サイバースペース管理局は4日、各アプリストアに対してディディのアプリを削除するよう命令した。ディディによる利用者情報の取り扱いを巡る審査手続きの一環だ。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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