October 1, 2019 / 8:46 AM / 2 months ago

アングル:中国企業、上場廃止報道で米IPO計画見直しに奔走

[上海 30日 ロイター] - 米店頭市場ナスダックでの上場を1─2年ほど計画していた中国の賃貸アパート運営会社、貝客公萬(ベストボンド)は、米中通商紛争の激化を受けて、上場先候補として香港市場も視野に入れ始めていた。しかしトランプ政権が米市場に上場する中国企業の上場廃止を検討しているとの報道を受けて、今では香港上場が本命になった。

9月30日、米店頭市場ナスダックでの上場を1─2年ほど計画していた中国の賃貸アパート運営会社、貝客公萬(ベストボンド)は、米中通商紛争の激化を受けて、上場先候補として香港市場も視野に入れ始めていた。写真は米ナスダックのロゴ。ニューヨークで2013年8月撮影(2019年 ロイター/Lucas Jackson)

貝客公萬のワン・ジア最高財務責任者(CFO)は「見直しを進めているところだ」と述べ、香港は政情が不安定だが、先週末に米国での上場廃止が報じられたことで魅力が高まったと指摘した。

ワン氏によると、注目度や流動性が高く、高い評価額が見込めるナスダックでの上場を貝客公萬は今でも望んでいるが、一か八かの賭けをする余裕は同社にはないという。

米財務省当局者は、トランプ政権は「現時点では」中国企業による米市場での上場の阻止を検討していないと述べたが、その可能性があるだけで、米市場での新規株式公開(IPO)を目指してきた中国本土系企業は気をもむだろう。

中国企業のナスダック上場を支援するブティック系投資銀行ワールド・ファイナンシャル・ホールディング・グループのテレンス・リン最高経営責任者(CEO)は「問い合わせが殺到している」と話す。

関係者2人によると、上場廃止検討の動きは米国での対中国企業投資を制限する幅広い取り組みの一環。ある関係者は安全保障上の懸念が動機になっていると述べた。

ワールド・ファイナンシャルのリン氏は、トランプ氏の脅しを実行に移すのは法的に非常に難しく、米中間の通商紛争が急激にエスカレートする状況での交渉戦術にすぎないとみている。

ただ業界関係者によると、実際に上場を廃止するのが困難だとしても、トランプ氏の脅しが既に米市場に上場している中国企業や、香港証取やロンドン証取といった中国企業上場の誘致を図っている取引所に打撃となるのは必至だ。

中国のベンチャーキャピタル会社ニュー・ビジョン・キャピタルのパートナー、フレデリック・シェン氏は「政治的な不透明感は長期的に米上場中国企業株のバリュエーションや流動性に圧力となるだろう」と指摘。自身が運用するポートフォリオで、ナスダックではなく中国で最近立ち上がったばかりのハイテク新興企業向け市場「科創板」に上場した銘柄の比率を高めているとした。

当局への申請書類、企業経営幹部や銀行関係者の話などによると、ナスダックは制約を強めたり承認手続きのペースを落とすなどにより中国中小企業のIPOの扱いを厳格化しようとしている。

ナスダックの広報担当者は、上場適格企業はすべて公平に扱っていると述べたが、中国の中小企業に対する上場規則変更の影響にはコメントを避けた。

上場廃止報道でもっと大きな打撃を被りそうな企業もある。関係筋によると、中国の資産運用会社コーナーストーンは10月にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する計画だったが、すぐの上場は難しくなったとみている。同社は米国で上場していたり、米国での上場を目指す企業を主な投資先としており、そうした企業の株価が上場廃止報道後に急落したことで、ビジネスモデルが揺らいでいる。

(Samuel Shen記者、Josh Horwitz記者)

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