[北京 30日 ロイター] - 中国の王毅国務委員兼外相は30日、米国との二国間の貿易摩擦について、中国の対話への窓口は引き続き開いていると述べた。また中国は貿易戦争を望んでいないと改めて強調した。訪中したハント英外相との共同会見で述べた。
王氏は中国と米国が世界貿易機関(WTO)の枠組みを通じて貿易摩擦を解消すべきとの見解を示した。
また、現在の両国の貿易不均衡の根本原因は米国側にあるとする中国政府の姿勢を改めて示したほか、米国が中国との貿易から多くの恩恵を受けていると述べた。
両国は貿易を巡り対立を続けている。トランプ米政権は中国のハイテク業界が米企業の知的財産権を侵害したとし、貿易黒字の削減に向けて米製品の購入を拡大するよう中国に求めている。
こうした中で中国は味方となる国々を探しており、英国に対して欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)後の自由貿易協定に関する協議を持ちかけた。
英国は来年のEU離脱の準備を進める一方で中国企業に市場の開放をアピールするラブコールを送っており、中国は英国がEU離脱後の自由貿易協定調印を望む国の1つでもある。
王委員は記者団に、中英両国が貿易および投資の強化で一致したと語り、ハント外相は王委員が「ブレグジット後の英中間の自由貿易協定に関する協議の開始」を提案したことを明らかにした。
外相は「われわれが歓迎することであり、検討すると述べた」と語った。
王委員は自由貿易交渉の提案については直接言及しなかったものの、両国が「お互いの開発戦略に積極的に参加し、貿易および相互投資の規模を拡大することで一致した」と述べた。
中国との貿易協定は英政府にとって政治的な勝利を意味するが、来年EUを正式に離脱するまでは公式協議を開始することができない。自由貿易協定の交渉は、成立までに数年を要することが多い。
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