April 5, 2019 / 5:58 AM / 6 months ago

ブログ:「リングの女王」になった中国人ボクサー、偏見をノックアウト

[台北/寧波 2日 ロイター] - 鋭い目をした黄文斯(フアン・ウェンシー)さん(29)が対戦相手に向かってパンチを容赦なく繰り出すと、とうとうレフェリーが2人の間に割って入り、試合は7ラウンドで終了した。

4月2日、鋭い目をした黄文斯さん(赤い靴の女性)が対戦相手に向かってパンチを容赦なく繰り出すと、とうとうレフェリーが2人の間に割って入り、試合は7ラウンドで終了した。寧波のジムで2018年9月撮影(2019年 ロイター/Yue Wu)

「息子よ、やったぞ」と黄さんは雄たけびをあげ、リング内を小躍りした。台北で開催されたこのアジア女子・スーパーフライ級コンチネンタル王座決定戦で、黄さんはタイのジャルシリ・ローンムアンを下し、チャンピオンベルトを手にした。

勝利を喜ぶ黄さん(2019年 ロイター/Yue Wu)

黄さんは、まだ少数ながら増加傾向にある中国の女性プロボクサーの1人だ。女性はこうした激しい活動をしないものという偏見が残る中、黄さんはこのスポーツに進んで取り組んでいる。

母親でもある彼女は、数少ない女性プロボクサーの中でも希少な存在だ。チャンピオンベルトを勝ち取ったのは昨年10月、息子の誕生日と重なったことで喜びはさらに大きくなった。

息子との時間を過ごす黄さん(2019年 ロイター/Yue Wu)

「女性は妻や母親として家にいるだけの存在ではない」と、黄さんは語る。2歳半になる息子は、テレビ電話で勝利を伝えると飛び上がって喜んだという。

「私は自分のために生きている。ボクシングができて本当に幸せ。もっと多くの母親たちがこの試合を見られればいいと思っている。家族のためだけでなく、自分のために生きることは可能なのだから」

中国南部の広東省の小さな町で生まれた黄さんは、2002年に学校で才能を見出され、ボクシングを始めた。3年後には省の代表チームに選ばれたが、けがが原因で2011年に引退した。

ほぼ丸一日かけ、息子を故郷に連れて帰る黄さんと夫(2019年 ロイター/Yue Wu)

2015年に夫と出会い、その1年後には息子が生まれた。しかし産後に深刻なうつ病を患い、自殺を考えるまでになった。

これがボクシングに戻るきっかけとなった。数年にわたる厳しい練習を経て、体とスタミナを取り戻し、プロボクサーとして復活したと、黄さんは言う。彼女は浙江省で教師としても働いている。

試合前、最後のトレーニングに臨む黄さん(2019年 ロイター/Yue Wu)

「抜け出すにはこれしかないと確信していた」

試合に勝利した後、黄さんはメダルを喜ぶファンと友人らに囲まれた。

「王とは呼ばないでほしい」と黄さん。「リングの女王と呼んでほしい」

(撮影:Yue Wu記者、文:Brenda Goh記者、翻訳:宗えりか、編集:久保信博)

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