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アングル:急速に強まる人民元先安観 対ドルで15%下落予想も 

[ロンドン 14日 ロイター] - 中国人民元の先安観が急速に強まりつつある。投資銀行が対ドル相場の予想引き下げに動き、一部からは年内に対ドルで15%下落するとの声も聞かれ始めた。ただ中国は巨額の外貨準備を抱えているというだけでなく、政府が外貨準備を積極的に通貨防衛に使う意向をはっきりと示しているので、元安に賭ける投資にはなお覚悟が伴う。

それでも大手行の一部が1ドル=7元を超える元安を予想し、ヘッジファンドはさらに大きな相場変動を視野に入れつつある。

対ドル相場で人民元が香港ドルを下回るという想定もあながちばかげたことではなくなった。1ドル=7.8香港ドル近辺で米ドルとのペッグ(連動)制が導入されている香港ドル自体も元安につられる形で下落し、13日には12年ぶりの下げ幅を記録した。

オム二・パートナーズ・マクロ・ファンドの戦略ヘッド兼ポートフォリオマネジャーのクリス・モリソン氏は「人民元相場は米ドル/香港ドルの水準に向かうだろう。最初に目指すのは7.78元だ」と話した。

モリソン氏は中国は既に通貨を統制し、相場の動きを最小限に抑える時代を終えたとみて、2014年初頭から元安を見込む投資を続けている。「米ドル/人民元は常に非常に狭い範囲で動く、極めてボラティリティの低い通貨だった。こうした状況は明らかに変化しつつある。当社は米ドル/人民元が6.50元から7元を上回る水準に向かうとみているが、(人民元にとっては)もっと厳しい数字になるかもしれない」と話した。

ロイターがこの1週間に欧米の主要市場参加者30社強を対象に実施した調査では、人民元相場についてこれほど明確な数字はほとんど出なかったが、年内に15%の下落もあり得るとの見方が示された。

ケンブリッジ・ストラテジーの株式担当最高投資責任者(CIO)、マイク・ニュートン氏は「中国の投資家は身を持って意志を表明している。個人投資家や企業、機関投資家が資金を引き揚げている」と指摘。中国政府が人民元の安定を望むならば金利を上げるか経常勘定を閉じるしかないという。

ただ、中国政府に盾突くべきではないというもっともな理由も存在する。今週、香港のオフショア人民元の翌日物預金金利は94%まで暴騰し、オフショア人民元は流動性が枯渇した。

こうした大胆な政策は、欧州連合(EU)発足前にジョージ・ソロス氏率いる投機筋が欧州主要国と演じた戦いを想起させる。このときは投機筋側が勝ち、利益を得た。

シティの外為戦略ヘッドのスティーブン・イングランダー氏は、中国はオンショアとオフショアで金利差を生むことができるため、当時の欧州諸国よりも強い立場にあるとみる。

イングランダー氏は今週のノートで「(当時欧州諸国の)市場介入が失敗したのは、欧州為替相場メカニズム(ERM)加盟国は高金利を維持し続け、投機を止めることができなかったためだ。オンショアの金利をオフショアよりも大幅に低くし続けることができれば、投機筋が及び腰となり、英国やスウェーデンで1993年に起きたような被害を食い止めることができる」と説明した。

人民元の大幅な下落を予想する人々でさえ、中国は最新統計で3兆3000億ドルの外貨準備を使って比較的落ち着いた状態を保てるとみている。

大手銀行のグローバル外為ヘッドは「中国は通貨の安定を維持できると思う」と述べ、人民元は向こう3カ月から9カ月にかけて押し目買いが入ると予想した。

(Patrick Graham記者)

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