January 27, 2018 / 12:00 AM / 25 days ago

焦点:人民元国際化に復活の兆し、外貨準備組み入れも追い風

[香港 23日 ロイター] - インドのインフラ関連企業が今月、9億元(1億4000万ドル)のオフショア人民元建て債券(点心債)を発行した。高利回りの点心債が売り出されたのは1年余りぶりで、数年間停滞していた人民元国際化の動きが復活しつつある兆しの1つと言えそうだ。

さらに香港における人民元預金が1年ぶりの高水準に達し、ドイツ連銀が人民元を外貨準備に組み入れることを決めるなどの追い風も吹いている。

これらの現象は、人民元高が続いている中で表面化してきた。元の対ドル相場は今月に入って過去2年余りでの最高値を付けた。

中信銀行(国際)の中国チーフエコノミスト、リャオ・クン氏は「高利回り点心債の発行は、2年にわたって退潮傾向にあったオフショア人民元市場が回復し始めたことの表れだ。元国際化のプロセスを妨げていた、根強い元先安観などの要素は一掃され、今やこのプロセスが勢いを取り戻すのを目にする局面だ」と話した。

ただ中国政府の政策議論に関与する人の話では、当局には、性急に元国際化を進める考えはまったくない。関係者の1人は「われわれは流れに従って動き、決して強引には先に進まない。長い道のりになるだろう」と語った。

中国政府が2015年、株価暴落に伴う金融危機を回避するため強力な市場介入に乗り出すと、オフショア人民元の需要は急減。当局は資本流出を止めるための規制も導入した。

それでもインドのIL&FSトランスポーテーション・ネットワークス(ILFT.NS)は今月、期間3年の点心債を8%の利回りで販売する手続きを完了した。発行額9億元に対する応募総額は20億ドル元を超え、需要の強さを物語っている。

この案件に関わったスタンダード・チャータードのアジア債券シンジケート担当ディレクター、チャオ・リー氏は「点心債への引き合いは、元高の加速に伴って増大している。だからオフショア人民元市場で資金調達する必要がある企業にとって今は好機だ」と指摘した。

    また香港金融管理局のデータによると、昨年11月の人民元建て預金残高は5592億元と16年11月以来の規模に膨らみ、国境をまたぐ元決済取引高は17カ月ぶりの高水準になった。

    アナリストは、中国政府が推進する巨大経済圏構想「一帯一路」も、元国際化を後押しするとみている。新華社の報道では、人民銀行(中央銀行)の尹永副総裁は、一帯一路が元国際化に戦略的な機会を提供するとの見方を示した。DBS(香港)のアナリスト、ネーサン・チョウ氏も、一帯一路関連の多くのプロジェクトの進ちょくが今後加速し、元国際化がメリットを享受できると予想した。

    人民銀は今月、貿易取引における元建て決済促進や、外国人が対中直接投資で元を利用することを支援するための新たな措置も打ち出した。

    一方で関係者によると、中国政府が資本規制を大幅に緩める見込みはなく、これはオフショア市場での元利用に制約となるだろう。

    (Michelle Chen記者)

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