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アングル:クラウド市場に成長鈍化の兆し、米半導体業界に広がる不安

[16日 ロイター] - 米半導体産業を次に待ち受ける問題は、需要の柱であるクラウドサービスとデータセンターの動向かもしれない。コロナ禍中には消費者がクラウド型娯楽サービスに走り、企業はオフィスのクラウド環境を刷新したが、このセクターに鈍化の兆しが見え始めている。

 8月16日、米半導体産業を次に待ち受ける問題は、需要の柱であるクラウドサービスとデータセンターの動向かもしれない。2月8日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

企業の間でクラウド技術の採用が広がったのは、ここ10年の現象にすぎない。この間、景気が長期にわたって悪化する局面はなかったため、クラウドセクターが景気後退に強いのか、それとも打撃を受けるのかが予測しづらいとアナリストは言う。

40年ぶりの高インフレが消費者に重くのしかかり、エコノミストが景気後退のシグナルに言及するようになった今、IT大手によると広告主は財布の紐を引き締めている。

「次はこのセクターが落ち込む番ではないかと投資家は懸念している」と話すのは、バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏。広告の減少はフェイスブックやスナップチャットなどの企業に打撃を与えており、データセンターへの投資削減に拍車がかかる恐れがあるという。

IT大手は最新の四半期決算で、クラウド事業の売上高の前年比伸び率が軒並み鈍化。アルファベットのグーグルクラウドは8%ポイント以上、マイクロソフトのアジュールは6%ポイント、アマゾン・ドット・コムのAWSは3%ポイント以上、伸び率が低下した。

YipitDataのリサーチディレクター、ナサニエル・ハーモン氏はクラウド市場について、売上高の伸びは依然として非常に高いとしつつ、欧州などの一部地域で軟化の兆候が散見されると指摘した。

アルファベット、マイクロソフト、アマゾンの3社もパンデミック期間中に、経費節減のためデータセンター機器の使用年数を従来の3年から、一部で最長6年に延ばすと発表した。

フォレスター・リサーチ社のグレン・オドネル調査部長は、「データセンターの設備投資が削られれば、インテル製やAMD製の半導体の需要も減少する」と述べた。

インテルの四半期決算でデータセンターおよびAIグループ部門の売上高が16%減の46億ドル(約6160億円)と、市場予想を20億ドル近く下回ったことが、こうした懸念に拍車をかけた。

さらに先週マイクロン・テクノロジーが、業績は市場の見通しより悪化する恐れがあると警告し、パソコン事業やスマートフォン事業だけでなく、クラウド事業にも問題が生じているとの見方を示した。

しかしマイクロンのスミト・サダナ最高経営責任者(CEO)は、問題を引き起こしているのはクラウド市場の成長鈍化という単純な話ではないと言う。一部の半導体不足によってサーバーの組み立てが進まない結果、他の半導体が山積みになっていることに問題の一端がある。これは自動車業界における半導体不足と似通った状況だ。

サプライフレームの最高マーケティング責任者、リチャード・バーネット氏によると、サーバーのサプライチェーン全体では在庫が過去最高水準だが、一方で重要な部品が不足している。「1台のサーバーに500個の部品が必要だとして、10個とか20個の部品が手に入らないために組み立てができなくなっている」

ただサダナ氏は、企業側も景気の先行きを不安視し、半導体購入に保守的になっていると注意を促した。

フォレスターのオドネル氏は、ハイテク部門全体でこうした傾向が見られると指摘。「顧客との間で支出計画が話題になると、蛇口を完全に閉じるつもりはないが、少し閉めるという話をよく聞く」という。「デルやヒューレット・パッカード・エンタープライズのような企業の収益にもこうした動きがある程度反映されるだろう」

一方、最先端技術向けのカスタマイズサーバーを専門とするスーパー・マイクロ・コンピューターには、自動運転車やメタバースの開発によって今も新たな需要が次々ともたらされているという。

マーケティング・ネットワーク・セキュリティ担当副社長のマイケル・マクナーニー氏は、「研究段階だったプロジェクトが実地配備へと移るのに際し、これまで抑圧されていた成長が大きく解き放たれるだろう」と話した。

(Jane Lanhee Lee記者)

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