[ニューヨーク/ロンドン 24日 ロイター] - 米金融大手シティグループは、メキシコのリテール銀行部門バナメックスを70億ドルで売却する計画を撤回し、2025年にバナメックスの上場を目指すと表明した。
事情に詳しい関係者によると、シティはバナメックスの重複上場を検討しており、その候補地はメキシコ市とニューヨークになる可能性があるという。
シティはバナメックスを、メキシコ複合企業グルポ・メヒコを率いる富豪のヘルマン・ラレア氏に売却する協議を進め、複数の関係者は合意が近いと話していた。
しかし別の関係者は、グルポ・メヒコとシティの間に意見対立があり、さらにメキシコ政府がバナメックスの新たな所有者によるレイオフを通じたコスト削減は認めないなどと幾つか条件を突きつけていたことから、協議の打ち切りにつながったと明かした。
シティのジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)は24日、事業簡素化の目標を推進していくにはバナメックスの新規株式公開(IPO)が最善の道になると判断したと述べた。
フレーザー氏は、シティが14の市場で消費者向け事業から撤退し、多国籍企業や富裕層を重視することで収益力を高める方針を打ち出している。これまでバナメックスの売却を模索していたのも、こうした経営戦略の一環だった。
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