[ロンドン 7日 ロイター] - 英資産運用会社アビバ・インベスターズやM&Gインベストメンツなど115の機関投資家は7日、大手銀行に宛てた共同書簡で温暖化対策の強化を求めた。来年の株主総会で各行の取り組みを評価する可能性があるとしている。
機関投資家らは、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に沿った形で融資を行い、気候変動問題に一段と取り組むべきだと主張した。
書簡は、責任投資を促す非営利組織のシェアアクションが取りまとめ、英HSBCやスタンダード・チャータード(スタンチャート)銀行、ナットウエストなど63行に送られた。これらの機関投資家の運用資産は総額4兆2000億ドル。
多くの銀行は温暖化対策で「ネット・ゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」などの銀行業界の自主的取り組みに参加している。ただ、機関投資家はより迅速な行動が必要だと指摘した。
NZBAに参加する銀行は、来年末までに温暖化対策の目標設定を始めることで合意しているが、投資家は来年の年次株主総会までに5─10年先の目標設定を求めている。
また、銀行に対して、国際エネルギー機関(IEA)の脱炭素への工程表やそれに類似した計画に基づき気候変動対策を進めることも求めている。
IEAは今年5月、2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標の達成には、化石燃料への新規投資を即座に停止すべしと提唱した。
さらに、生物多様性(バイオダイバーシティ)を守るための戦略を打ち出すべきだと提言した。
8月15日までに銀行からの回答を求めている。また、これらの課題に対する進捗状況は、2022年の年次株主総会における決議投票などで考慮される可能性があるとしている。
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