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インタビュー:ECB、気候変動に積極関与なら責務超えも=ベルギー中銀総裁

(見出しのタグを修正して再送します。)

[フランクフルト 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は6日、ロイターのインタビューで、ECBが気候変動対策で主要な役割を果たすことはECBの責務と能力を超える可能性があるという考えを示した。

ECBは、公害をもたらす企業を罰し、地球に優しい企業に報いるために資産購入や資金へのアクセスを調整することなど、気候変動対策への役割を再検討している。

こうした行為を正当化する主な理由として、市場が気候変動リスクを正確に織り込んでいないことがある。ただ、ウンシュ氏はこうした主張の正当性に疑問を呈し、「立証責任はわれわれにある。市場が気候に関連する一部のリスクを考慮していないことを証明しなければならない」と指摘した。また、既存のリスク評価には欠陥があり、改善する必要があるものの、体系的で持続的なバイアスを示す証拠はないと述べた。

さらに、市場価格に影響を与えようとするとバブルをあおることになり、ECBの従来の政治的範囲を超えるとし、「短期的には、市場が気候変動リスクを織り込んでいないことよりも、グリーン資産のバブルの方が大きな不安要因になるとみている」と語った。

批評家からは、ECBが欧州連合(EU)の経済目標を支援するという第2の使命があるため、物価安定の目標に反することにならない限り、気候変動対策もECBの責務の範囲内だとする声も出ている。

これに対し、ウンシュ氏は第2の使命はあまりにも広範にわたるため、ECBが政治的役割を担うことになりかねないと指摘。「われわれは選挙で選ばれた当局者ではないため、こうした政治的判断をしづらい」とし、市場のリスク評価を覆したり、市場価格に影響を与えようしたりすることに「非常に慎重になるべきだ」と述べた。

また「われわれが適切な手段を備えているとは考えにくく、気候変動に対する最も効果的な手段は炭素税や、排出量取引制度(ETS)、規制、研究開発支援であり、こうした手段は当局が握っている」と話した。

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