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アングル:熱狂なきクリントン支持、まばらな看板が語る危うさ
2016年9月26日 / 05:51 / 1年後

アングル:熱狂なきクリントン支持、まばらな看板が語る危うさ

[ニューヨーク 25日 ロイター] - 米民主党支持者が多い地区として知られるニューヨーク市ブルックリン近隣住区のコブルヒル──。ここに住む有権者は、米大統領選で民主党のヒラリー・クリントン候補に一票を投じることが予想される。ただし、彼らが支持を宣伝すると期待してはいけない。

 9月25日、全米各地のリベラル派が住む家の芝生や窓辺と同様に、11月8日の大統領選が間近に迫るなか、ニューヨーク市ブルックリン近隣住区コブルヒルの大半でも、クリントン支持の看板は掲げられていない。写真は、クリントン氏を応援する看板。同市で23日撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid)

全米各地のリベラル派が住む家の芝生や窓辺と同様に、11月8日の大統領選が間近に迫るなか、コブルヒルの大半でも、クリントン支持の看板は掲げられていない。2012年と2008年の大統領選で、オバマ大統領が旋風を巻き起こしたのとは全く対照的だ。当時は「希望」や「前へ」といった看板を至るところで目にした。

クリントン氏を応援する看板の不在は、同氏が左寄りの有権者から熱意を引き出すのに苦労している表れであり、世論調査の結果にもその課題が浮かび上がっている。有権者が当日投票所に足を運ばなければ、同氏を苦しめることになりかねない。

ロイター/イプソスが23日公表した米大統領選の世論調査によると、クリントン氏の支持率は41%となり、共和党のドナルド・トランプ候補の37%を4ポイントリードしている。

しかし同調査では、4年前にオバマ大統領が2期目を目指したときよりも、今回の大統領選におけるクリントン氏に対する風当たりの強いことが示されている。

民主党支持者のうち、クリントン氏を好感する割合は78%で、これは2012年米大統領選で同時期に調査されたオバマ氏の89%を下回っている。無党派層の場合、クリントン氏の好感度は28%にとどまる一方、オバマ氏のそれは47%だった。

ブルックリンにあるクリントン氏の選挙本部から1.5キロほど離れた場所に住むソーシャルワーカーのナンシー・キメル・ビオラさん(63)さんは、自宅の正面玄関にまだ「バーニー2016」のステッカーを貼っている。民主党候補指名を争ったバーニー・サンダース上院議員を支持していたときの名残である。ビオラさんはクリントン氏に投票するつもりだが、「心からではない」と打ち明けた。

「彼女に投票しなければ。トランプが大統領なんて怖すぎる」

民主党の支持基盤であるコロラド州デンバーのパークヒルの住民は、地元の都市計画問題については庭に看板を出しているが、大統領選に関して看板を出している人はほとんどいない。

「私たちのほとんどは、いつもそうしているように民主党に入れるだろうが、クリントン氏にはあまり熱狂できない」と、住民の1人であるパブロ・マロンさんは話す。

「だが、反トランプで団結している」

<嫌々ながら支持>

 9月25日、全米各地のリベラル派が住む家の芝生や窓辺と同様に、11月8日の大統領選が間近に迫るなか、ニューヨーク市ブルックリン近隣住区コブルヒルの大半でも、クリントン(写真)支持の看板は掲げられていない。同市で撮影(2016年 ロイター/Carlos Barria)

民主党支持者が多いデンバー郊外のノースグレンでは、地方公務員向け求人募集のバナーは主要道路の至るところで目にするが、クリントン氏を支持する看板は見られない。

首都ワシントン郊外にあり、リベラルな富裕層が多く住むメリーランド州チェビーチェイスでは、クリントン支持を示す看板は10ブロックごとに1つ見られる程度だった。

盛り上がりの欠如に打撃を受けているのはクリントン陣営ばかりではない。ロイター/イプソスが今年9月1─20日と、2012年の同時期に行った調査を比較したところによると、民主・共和党双方の支持者ともに今年の方が投票に総じて関心がないと答えている。

ロイターは電子メールでクリントン陣営にコメントを求めたが、返答は得られなかった。

クリントン陣営のオンラインショップでは、10ドル(約1000円)から100ドル程度のものまで、十数種類の看板やバナーなどが売られている。

売り上げデータはすぐに入手できず、ショップからの返事もなかった。

一部の人から、今回の選挙は「嫌々ながら支持する性質」があると見られていると、ジョージ・ワシントン大学政策運営大学院のマシュー・ダレック准教授は指摘。リベラル派において看板が見られないのは、オバマ大統領のときのような熱狂ムードが単に存在しないことを示しているのかもしれないと語った。

とはいえ、そうした傾向とは逆をいく地区もある。

ブルックリンのゴワナスでは、少なくとも4軒がクリントン支持を掲げる看板を出しており、引退した弁護士のクリス・モリソンさん(66)は、窓辺にクリントン氏の等身大切り抜きを置いている。通行人の多くが写真を撮っていくという。

「今回はあまり看板が見られないが、この地区ではそれほど心配していない。程度の差こそあれ、同じ考えを持っているからね」と、熱烈なクリントン支持者であるモリソンさんは語る。

「だが、他の場所に行くと心配になる」

(Amy Tennery記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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