[北京 28日 ロイター] - 中国国家統計局が28日発表したデータによると、2022年の国民1人当たりの支出は実質ベースで0.2%減少した。減少は1980年の統計開始以来3回目。厳しい新型コロナウイルス規制が消費意欲に打撃となった。
21年は12.6%増と、コロナ禍で最初に混乱が広がった20年の4%減から反動で大きく増加していた。
中国では昨年終盤になってようやく「ゼロコロナ」政策が解除されたことから、同年の経済成長率は3%にとどまった。
このため国民1人当たりの所得は実質ベースで2.9%増と、1989年以来2番目に低い伸びにとどまった。前年は8.1%増だった。また小売売上高は0.2%減少し、1968年以来2番目に弱い結果となった。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのエコノミストは22年の支出低迷について、最低所得層の収入急減が主な要因だと指摘。「コロナ禍前は最低所得層が最も成長の速い層の一つだったが、今では所得の伸びが最も鈍い層になっており、(伸び率は)10.1%から5.2%に低下した」と述べた。
22年の国民1人当たりの所得(調整前)は3万6883元(5310ドル)、国民1人当たりの支出は2万4538元(3533ドル)だった。
所得は農村部が実質ベースで4.2%増、都市部は1.9%増。前年はそれぞれ9.7%増、7.7%増だった。
<都市部の雇用が減少>
都市部の就業者数は840万人減少し、1962年以来のマイナスとなった。
ピンポイント・アセット・マネジメントのプレジデントは「都市部の労働力減少は、中国経済が昨年見舞われた深刻な課題を反映している」と指摘。国内労働力の減少、新型コロナ流行に伴う失業、都市部への出稼ぎ労働者の流入鈍化が主因だと述べた。
ただ、中国政府はゼロコロナ政策を廃止しており、都市部の就業者減少は一時的な現象とみられるという。
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