August 19, 2016 / 6:21 AM / in 3 years

アングル:「末期的衰退」から盛り返す石炭業界、勝者は豪炭鉱大手

[シンガポール 17日 ロイター] - 石炭業界は昨年に「末期的な衰退状態」にあるとされたが、石炭価格は過去5年以上で最大の上昇率を記録しており、予想外の盛り返しを見せている。

 8月17日、石炭業界は昨年に「末期的な衰退状態」にあるとされたが、石炭価格は過去5年以上で最大の上昇率を記録しており、予想外の盛り返しを見せている。写真は中国内モンゴル自治区黒竜江省の石炭貯蔵所でトラックに石炭を積み込む労働者。2015年10月撮影(2016年 ロイター/Jason Lee)

アジア向け一般炭価格の指標となるオーストラリア・ニューカッスル港積み出しの一般炭価格GCLNWCPFBMc1は、6月半ば以降35%超上昇。1トン=70ドル近辺と約1年ぶりの高値をつけている。中国の輸入が予想外に増加していることが背景にある。

ゴールドマン・サックス(GS.N)は16日付の顧客向けノートで「供給過剰なコモディティーのバランスを回復させるという従来市場が担う役割を、中国の規制当局が引き受けている」と指摘。

「今年に入って導入された国内生産に関する規制が国際価格を押し上げ、石炭は最も良好なパフォーマンスを示すコモディティーの1つになった」とし、昨年9月に示した悲観的な見通しを転換させた。

ゴールドマンと国際エネルギー機関(IEA)は昨年、石炭業界は末期的な衰退状態にあるとの見方を示していた。

スイスのグレンコア(GLEN.L)、英アングロ・アメリカン(AAL.L)といった国際的な資源大手だけでなく、タイの石炭大手バンプー(BANPU.BK)などアジア地域のプレーヤーも価格上昇の恩恵を受けている。

3社の株価はいずれも年初来上昇。特に中国が鉱山の操業日数を16%削減した4月以降大きく値上がりしている。

バンプ―は今週、2016年の石炭平均販売価格が1トン=50ドル超になるとの見通しを示し、これまでの目標(47─48ドル)を引き上げた。

ゴールドマンはこうした状況を受け、「予測可能な将来において国際価格は支援されている」と指摘。ニューカッスル港積み出し一般炭価格の3カ月、6カ月、12カ月見通しを1トン当たり、それぞれ65ドル、62ドル、60ドルに引き上げた。従来予想から最大で38%の引き上げとなった。

<勝者と敗者>

石炭業界はインド、ベトナム、フィリピンからの安定的な需要に加え、アジアの工業国である日本、韓国の需要増にも支援されている。

中国の電力消費も7月に前年比プラス8.2%と予想外に増加した。

豪マッコーリーは今週、「(中国の)工業セクターで最も大きな改善を示しているのは電力生産だ。過去1カ月間に石炭需要を支援した」と指摘した。

過去の価格急落時にはほとんどの炭鉱会社が打撃を受け、鉱山の閉鎖や資産の売却を余儀なくされたが、良好な資産を維持する企業は今回の上昇局面で恩恵を受ける状況にある。

最大の勝者は、石炭の質が平均的に高いオーストラリアの炭鉱を有する企業だ。

オーストラリアでの主要プレーヤーであるアングロ・アメリカンの株価は年初来安値の約2.2ポンドから約9ポンドに回復。

同国で大規模な事業展開を行っているグレンコアの株価も年初来安値の70ペンス近辺から約2ポンドに上昇している。

一方、恩恵を受けていない向きもある。

インドネシアは世界最大の一般炭輸出国だが、同国の炭鉱会社は債務の制約などで増産できない状況だ。

Henning Gloystein記者 翻訳:佐藤久仁子 編集:加藤京子

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