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コラム

コラム:アップル株投資、バフェット哲学からの脱皮か

[ニューヨーク 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - バークシャー・ハザウェイBRKa.Nを率いるウォーレン・バフェット氏のバリュー投資哲学に照らすと、アップルAAPL.O株は場違いな感じのする銘柄だ。バークシャーは16日、アップル株に最近11億ドル投資したことを明らかにした。これはハイテク株全般を敬遠してきたバフェット氏の投資姿勢からの決別だ。

 5月16日、バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレン・バフェット氏(写真)のバリュー投資哲学に照らすと、アップル株は場違いな感じのする銘柄だ。ワシントンで昨年10月撮影(2016年 ロイター/Kevin Lamarque/File Photo)

バフェット氏が好むのは、大きなブランドを持ち相対的に割安な銘柄だ。この観点に立てばアップルは条件を満たしている。大勢のファン顧客を従え、9月16日までの1年間の予想利益に基づく株価収益率(PER)は、1500億ドルの手元キャッシュを勘案したベースで8倍弱と低い。

「オマハの賢人」、バフェット氏の投資哲学は、他の投資家が逃げ出した時に割安に買う機会をつかむという考え方に根差している。バークシャーがアップル株を買ったのは、同社が過去13年間で初めての減収を発表する直前だった。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売が落ち込んだのは一過性のものかもしれないし、株価は魅力的で、業績が芳しくない程度なら十分買うに値しそうな水準だった。

ハイテクバブルが膨みつつあった1999年にバフェット氏が指摘した通り、重要なのは「どんな企業であれ、その競争優位性、なかんずくその優位性の持続力を見極めること」だ。しかしハイテク・ブランドの価値は、例えば炭酸飲料や銀行のような持続性を持たない傾向が強い。ハイテク分野では、小規模な新興企業が凝り固まった巨大企業の座を奪う力を備えている場合が多く、スピード感もある。

バークシャーのIBMIBM.Nへの投資が好例だ。バフェット氏は2011年に平均167ドル程度でIBM株を買いに入り、その後も買い増した。バリュエーションは低く見えたし、サービス事業は手堅く、ブランド力は一流だった。しかしIBMは今なお、ハードウエアおよびコンサルティング事業収入の落ち込みを、クラウドベースのソフトウエアや人工知能(AI)事業で補い切れていない。現在の株価は150ドル前後だ。

アップル株への投資はこれに比べてずっと規模が小さい。それに米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、投資したのはバフェット氏本人ではなく部下の1人だという。そうではあっても、そしてアップルの強大な地位を差し引いてもなお、同社株への投資は「次の大一番」への賭けという色彩が濃い。それはひょっとすると自動運転車かもしれない。つまりバークシャーは、創始者バフェット氏の投資哲学とは一種異なる道へと踏み出した可能性がある。

●背景となるニュース

*バークシャー・ハザウェイは16日、アップル株を980万株保有していると公表した。3月31日時点で11億ドルに相当する。

*投資を行ったのがウォーレン・バフェット会長兼最高経営責任者(CEO)なのか、会長に仕えるポートフォリオマネジャーの1人なのかは明らかにされていない。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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