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コラム:BHPビリトン、エリオットの改革案に利点も
2017年4月11日 / 06:06 / 7ヶ月前

コラム:BHPビリトン、エリオットの改革案に利点も

[ロンドン 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ヘッジファンドのエリオット・アドバイザーズが英豪資源大手BHPビリトン(BHP.AX)(BLT.L)に迫った株主価値の向上策には、幾つかの利点がある。

 4月10日、ヘッジファンドのエリオット・アドバイザーズが英豪資源大手BHPビリトンに迫った株主価値の向上策には、幾つかの利点がある。写真はBHPビリトンのロゴ。シドニーで2013年8月撮影(2017年 ロイター/David Gray)

エリオットの主張によると、組織を簡素化した上で米石油部門をスピンオフ(分離・独立)すれば株主価値は50%ほど上昇する。どれもBHPが過去に検討済みだし、完全な分離は非現実的なように見えるが、組織の大掃除のきっかけにはなるかもしれない。

BHP株を4.1%保有するエリオットの提案は、3点から成る。第1に、ロンドンとオーストラリアに分かれている法人をひとまとめにしてメルボルン本社とするが、主な上場先はロンドンとする。第2に、米石油部門をスピンオフしてニューヨークに上場する。エリオットの見立てでは、この部門の事業価値は220億ドル。最後に、未利用の税優遇措置を活用し、自社株をより安く、少なくとも60億ドルで買い戻す。

最も説得力があるのはこのうち2つだ。BHPの二頭体制は2001年のBHPとビリトンの合併によって偶然生まれたもので、戦略的な仕組みではない。両者を一つにまとめれば、BHPは「フランキング・クレジット」と呼ばれる税控除97億ドルの一部を株主に還元できる。現在は、シドニー市場の上場株を保有している投資家しかこれを享受できていない。シドニー上場株はロンドン上場株に対してプレミアムが乗った価格で取引されているため、両者を一本化すれば自社株買いのディスカウントを計算する際の基準価格が低くなる。小手先の措置だが、試してみる価値はある。

スピンオフの方は一筋縄ではいかない。利点は確かにあるかもしれない。石油・天然ガス開発の米EOGリソーシズ(EOG.N)や米アパッチ(APA.N)などの株価は予想利払い・税・償却前利益(EBITDA)の9─11倍程度で推移しているが、BHPは7倍前後と、鉱業に専念するリオ・ティント(RIO.AX)(RIO.L)と同程度だ。つまり石油事業を抱えている利点が株価に十分反映されていない。ただ、事業を多角化したせいで経営状態が悪くなっている兆候は一切見られない。スピンオフすれば企業戦略を大転換したことになり、経営陣の面目もつぶれるだろう。

エリオットは、組織の簡素化と税優遇の利用だけでも株主価値は10%程度向上し得ると踏んでいる。BHPは、改革案はコストが利点を上回るとの見解を示した。株価は10日に5%程度上昇しており、スピンオフを求める圧力は弱そうだ。それでも3つの案のうち、2つが採用されれば悪くはない。

●背景となるニュース

*エリオット・アドバイザーズは10日、BHPに二重組織構造の再編と米石油部門のスピンオフを求める書簡を送ったことを明らかにした。

*提案では、2つの組織をまとめ、オーストラリアに本社を持ち、税制上も同国の居住者である単一の組織とする。石油部門はスピンオフしてニューヨーク証券取引所に上場する。

*BHPは現在、オーストラリア上場と英国上場の2組織で構成されている。これらは投資家層の異なる別個の法人だが、単一の法人であるかのように経営されている。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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