May 8, 2018 / 6:47 AM / 3 months ago

コラム:バフェット氏とマスク氏の対立、投資家はどちらを選ぶか

[オマハ(米ネブラスカ州) 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米電気自動車大手テスラ(TSLA.O)のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とバークシャー・ハザウェイ(BRKa.N)の会長で米著名投資家のウォーレン・バフェット氏の対立は、まるでペアトレードの様相を呈している。

 5月7日、米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(右)とバークシャー・ハザウェイの会長で米著名投資家のウォーレン・バフェット氏(左)の対立は、まるでペアトレードの様相を呈している。写真左はネブラスカ州で6日、同右はフロリダ州で2月撮影(2018年 ロイター/Rick Wilking/Joe Skipper)

競合他社の参入を防ぐために企業は「モート(堀)」を固めるべきだとするバフェット氏の戦略の1つについて、マスク氏は「時代遅れ」と批判した。これを受け、バフェット氏が傘下の菓子メーカー、シーズ・キャンディーズを自身の成功の証しとして挙げると、マスク氏はキャンディーメーカーを立ち上げると宣言した。

これは、どちらを支持するかを問う投資家に向けた招待状だ。多くはすでに決めているだろうが。

米ネブラスカ州オマハで5日開催されたバークシャーの年次株主総会に参加した株主4万人にとって、時価総額480億ドル(約5.2兆円)のテスラはひどい投資先の典型として映る。バフェット氏は、経営幹部の健全な報償やシンプルな経営体系、競合他社の少なさを兼ね備えた企業を重視する。一方、マスク氏のテスラは、これら3つにおいて落第点だ。

報償制度を見てみよう。テスラの株価が膨れ上がるほど、マスクCEOの報酬もある程度上がることになる。同氏の新たなボーナス10カ年計画では、同社の時価総額が6500億ドルに達し、収益と利払い・税・償却前利益(EBITDA)目標を達成するなら、マスク氏は558億ドルを手にすることになる。

そうなった場合、投資家は文句は言わないだろうが、それは大きなリスクを伴う報酬だ。テスラが目標を達成できなかったり完全に失敗したりしても、マスク氏は他にも事業を手がけている。同氏は米宇宙開発ベンチャー企業スペースXも率いる。同社の最近の企業価値は260億ドル程度に膨らんでいる。

マスク氏とバフェット氏の気性もますます対照的だ。マスク氏は2日、テスラの決算発表を受けたアナリストとの電話会議で、一部の質問について「退屈で間抜け」だと癇癪(かんしゃく)を起こした。その後ツイッターで、そうした質問は「空売りがテーマ」だったと不平を漏らし、感情を爆発させたことについて弁明した。ただ、質問に答えなかったのは「愚か」だったと後に述べている。

一方のバフェット氏は、5日の株主総会で、パンチの効いたものからありふれたものまで、投資家からのさまざまな質問に何時間も答えていた。

こうした文化的違いはバランスシートにも現れている。バークシャーの現金保有額は1160億ドルだが、テスラのそれは、年間設備投資額とほぼ同程度の27億ドルにすぎない。それでもテスラは現金燃焼を続けており、向こう数カ月で返済期限を迎える債務は5億ドルに上る。

「オマハの賢人」と「パロアルトのプレーボーイ」は過去にも対立している。2016年、バフェット氏の米電力会社NVエナジーはマスク氏の太陽光パネル企業ソーラーシティーとぶつかった。

とはいえ、2人には共通点もある。

両氏とも、顧客をとても大切にしている。マスク氏は、アイスランドのサービスセンターやハードトップのオープンカーについてなど、ツイッターでの質問によく答えている。顧客の側に立って考えることが最も重要だというバフェット氏の意見に、マスク氏は恐らく賛同するだろう。

少なくとも当面の間、市場ではバフェット氏がマスク氏をリードしている。ボラティリティーの高いテスラ株は過去1年間で4%下落した一方、バークシャー株は19%上昇。また、テスラ株の空売り規模が拡大し、浮動株のほぼ4分の1を占めていることがトムソン・ロイターのデータは示している。

もちろん、短期間で株価が上昇すれば、テスラ懐疑派はやけどする羽目になり、マスクCEOはそうなると主張している。一方、バフェット氏自身は株価が下落しない方に賭けているわけではない。

したがって、バークシャー株を買い、テスラ株を空売りすることは、バフェット信者にとっては十分理にかなうことなのだ。だが、実際に彼の真似をしている人たちにとっては、そうではないかもしれない。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below