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コラム:「一帯一路」関連投資、安易なETF買いは禁物
2017年9月20日 / 04:38 / 1ヶ月前

コラム:「一帯一路」関連投資、安易なETF買いは禁物

[ワシントン 19日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国が提唱するアジアと欧州をつなぐ巨大経済圏構想「一帯一路」を巡っては、既にいくつかの投資会社がファンドを設立して関連セクター向けの資金を呼び込んでいる。

 9月19日、中国が提唱するアジアと欧州をつなぐ巨大経済圏構想「一帯一路」を巡っては、既にいくつかの投資会社がファンドを設立して関連セクター向けの資金を呼び込んでいる。写真は、同構想を示した地図。香港で昨年1月撮影(2017年 ロイター/Bobby Yip)

直近では中国国際金融有限公司(CICC)(3908.HK)系列のクレイン・ファンズ・アドバイザーズが、MSCIグローバル中国インフラ・エクスポージャー指数に連動する上場投資信託(ETF)をローンチした。しかし約70カ国にまたがる一帯一路のプロジェクトの多くが実は商業的に採算が合わないという点は、幅広い銘柄で構成される指数を見ても分からない。

各種報道によると、中国政府当局者でさえ、パキスタンでは80%、ミャンマーでは50%、中央アジア全般では30%のプロジェクトが損失を出す可能性があると見積もっている。だからこそ、中国の国有銀行は推計1兆ドルという投資計画について、政治的要請に応じる形で渋々と資金を拠出したのだ。

つまり懐疑的な投資家は、これらの国有銀行の株式は敬遠すべきだ。また一帯一路計画では、中国政府は中央アジアから東南アジアにかけての鉄道網整備に実質的な補助金を提供しており、こうした鉄道の完成で打撃を受けるかもしれない航空株を含むETFの買いも避ける必要がある。

Breakingviewsの指数は、勝ち組候補のリストをずっと絞ってくれる。これに含まれるのは、中国交通建設(601800.SS)や中国鉄建(CRCC)(601186.SS)などインフラ整備プロジェクトに資材を供給する建設・機械企業だ。全体の契約の9割近くは中国企業に振り向けられるため、欧米企業は脇役にすぎないだろうが、中国企業にハイテク機材を販売しているいくつかの銘柄はこの指数に入っている。

一部には、こうした勝ち組候補を買う以外のリスクの高い投資を考える向きもあるだろう。国内総生産(GDP)との比較で相当大きな投資が流れ込む国の通貨を買うケース(ラオスと中国の鉄道事業はラオスのGDPの半分近い規模に上る)、あるいは現在のスリランカのように中国からの融資の返済に苦しむ国の債券を売るケースなどが挙げられる。いずれにしても一帯一路で稼ぐことは可能だが、表面的に魅力がありそうなETFは決して最善の手段ではない。

●背景となるニュース

*クレイン・ファンズ・アドバイザーズは8日、「MSCIワンベルト・ワンロードETF」(OBOR.P)をローンチした。MSCIグローバル中国インフラ・エクスポージャー指数に連動する商品で、ニューヨーク証券取引所に上場されている。中国のインフラ開発関連事業の比率が大きい上場企業の値動きを取り込む狙いだ。

*トムソン・ロイターのデータによると、中国企業による海外企業合併・買収(M&A)は前年比で42%減っているにもかかわらず、一帯一路のインフラ・貿易事業に関連したディールは昨年を大きく上回る勢い。一帯一路関連のディールの場合、中国企業の当局へのM&A承認手続きは通常よりもずっと円滑に進んでいる。

*中国工商銀行(601398.SS)は5月、一帯一路関連プロジェクト向けに670億ドルの貸し出しを行ったと発表した。中国銀行(601988.SS)は年内にこうしたプロジェクトで1000億ドルの貸し出しを実行する計画。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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