March 19, 2018 / 8:45 AM / in 9 months

コラム:中国人民銀の新総裁人事、対米融和姿勢の表れか

[北京 19日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は19日、中国人民銀行(中央銀行)総裁に易綱副総裁(60)を選出した。この人事決定は米国への融和的ジェスチャーとみることが出来る。

 3月19日、中国の全国人民代表大会は、中国人民銀行(中央銀行)総裁に易綱副総裁(中央)を選出した。北京で撮影。提供写真(2018年 ロイター)

易氏は、中国語で「海亀(ハイグイ)」と呼ばれる海外経験が長い中国人だ。そのため、同氏の選出を驚きと受け止める人もいる。

ただ、中国政府は、総裁選出にあたり、改革をいかに推し進められるかという資質よりも重要視していたことがある。海外投資家の信頼を得ることができ、疑い深い米国と友好関係を築けるテクノクラートを必要としていたと言える。

米国人の中には、米国で働いたり勉強をする中国人は事実上、中国政府の工作員だと疑っている人もいる。皮肉なことに、中国政府も海外の中国人を信頼していない。中国政府は、海亀(ハイグイ)と呼ばれる人々が母国に戻り国の発展に貢献できるよう多くのエネルギーを注いできたが、国内の官僚制度下で彼らを有効活用できていない。

たとえば約10年前、中国証券監督管理委員会(証監会)は、国内のデリバティブ(金融派生商品)市場発展に向け、米金融業界から多くの優秀な中国人を引き抜いた。証監会は、こうした人材に国の研修プログラムを提供した後、昇進が見込めないポストに配置した。その結果、彼らの大半は退職した。その後、2015年に中国株が急落した時、証監会の対応にはさまざまな問題があった。

人民銀行の市場への影響力は、証監会よりはるかに大きく、世界貿易や金融安定にまで影響を及ぼす。これまでも、人民銀行の措置により流動性ひっ迫や為替相場の変動が起こり、海外市場が混乱したことがある。為替相場の問題は、これまでにもたびたび米中間の緊張要因となっている。

易氏は流暢な英語を話し、インディアナ大学で数年間教べんを執った経験もある。周総裁の外国政府や投資家、記者への丁寧な対応を長い間間近でみてきた。さらに、人民銀行で為替や外貨準備に関する政策を担当する中国国家外為管理局(SAFE)の局長を務めた経験もある。

今後は、周氏が推し進める金融改革を継続すると予想される。中国国内銀行の経営経験がなく、政治的影響力が周氏ほど大きくない点が弱点だ。ただ、易氏の総裁昇格は適切なメッセージとなる。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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