October 4, 2018 / 9:21 AM / 18 days ago

コラム:女優ファン・ビンビン主演、中国の「新・税金物語」

[香港 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 范冰冰(ファン・ビンビン)さんは、新たに幕を開けつつある中国の「税金物語」でヒロインを演じている。

税務当局はこの人気女優に対し、罰金や滞納金など計約8億8400万元(約146億3000万円)の支払いを命じた。数カ月にわたり行方不明となったことが大いに注目を集めた物語は、さらなる大きな話へ発展しつつある。

ドラマは5月、国営の中国中央電視台(CCTV)の元司会者が、ファンさんによる脱税の証拠とみられる写真を公表した、と広く報じられたことから始まった。彼女は数カ月にわたり公の場から姿を消していたが、今週になって自身の成功は共産党のおかげであり、罪を犯したことを謝罪するコメントを発表した。

話題になったのは、「陰陽」と呼ばれる契約。制作会社や俳優が2種類の契約書を作成し、安いほうを税務当局に申告、実際は額の大きいほうで契約を結ぶというものだ。映画業界には、年末までに不正を申告するための猶予が与えられた。

 10月4日、人気女優ファン・ビンビンさん(写真)は、新たに幕を開けつつある中国の「税金物語」でヒロインを演じている。仏カンヌで5月撮影(2018年 ロイター/Eric Gaillard)

この物語の脚本には、中国の税法や徴税の手法に関する機微なテーマが潜んでいる。例えば中国政府は7月、社会保険料を徴収する権限を税務当局に移管すると発表。脱税の「常習者」である企業の間に、コストが増えるのではないかとの懸念を駆り立てた。ノムラのアナリストは、企業収益の2.5%が影響を受ける可能性があると試算する。

税率を引き下げる一方、監督を強化することも、この国の税制システムの改善につながる可能性がある。国際通貨基金(IMF)のリポートによると、中国では税収の半分近くを付加価値税と企業所得税が占める。徴収しやすいのが一因だ。一方、個人の所得税は全体のわずか5%程度にすぎない。富裕国では、その割合は25%に迫る。

新しいルールの下では、都市部の労働者のおよそ7人に1人しか所得税を払わなくなる。2人に1人が支払う現状から大幅に減る。コンサルタント会社ベインと招商銀行(600036.SS)によれば、中国の富裕層は2016年までの10年間で9倍に増えた。最高税率は45%で、月収8万元超が対象となる。徴税を強化しないと脱税を誘発しかねない水準だ。

ファンさんが演じた物語は、中国が真剣に税制を考える転換点になったと言えるのかもしれない。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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