May 27, 2015 / 8:34 AM / 3 years ago

コラム:限界に近づく中国株の信用取引ブーム

[香港 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国株式市場の活況を維持してきた主要なエネルギーがそろそろ残り少なくなってきたようだ。信用買いを支えに、上海と深セン市場の時価総額はこの半年間で2倍に増えた。証券会社による必死の資金調達攻勢にもかかわらず、投資家のレバレッジ拡大需要は限界に近づいた可能性がある。

 5月27日、中国株式市場の活況を維持してきた主要なエネルギーがそろそろ残り少なくなってきたようだ。写真は株価ボード。上海の証券会社で12日撮影(2015年 ロイター/Aly Song)

中国の証券各社は本土の激しい株式購入熱によって明らかに恩恵を受けた。投資家が信用取引に熱中し始めたことで、妙味はさらに増した。格付け会社フィッチ・レーティングスによると、信用取引向け融資残高は昨年末時点からほぼ倍増の1兆9000億元(3000億ドル)に到達している。

収益が見込める一方で資本集約度の高いこのビジネスの急ピッチな成長に対応し、証券会社は一斉に新たな資金調達に走った。広発証券(GFセキュリティーズ)(000776.SZ)、銀河証券(6881.HK)、海通証券(0665.HK)(600837.SS)はいずれも今年、100億ドル超の新株発行を実施した。南京に拠点を置く華泰証券(601688.SS)は香港市場で45億ドルの資金調達を終えようとしている。同社の信用取引関連の融資とトレーディング収入が総収入に占める割合は2012年にわずか8%だったが、今年第1・四半期は28%に上昇している。

ただ、幾つかの理由でレバレッジ拡大ブームはその寿命を迎えようとしているのかもしれない。第一に債務レベルは既に高水準だ。マッコーリーのアナリストらによると、中国の信用取引の残高は現在、中国の株式市場の時価総額の3%以上に相当する。中国政府と他の支配株主の保有株を除くと、その比率は8.9%に高まるという。

第2に、信用取引が可能な投資家の数にも限度がある。華泰証券の個人顧客680万人に対し、信用取引の口座数は3月末時点で約21万2000件だった。しかし、信用取引が可能な口座残高の最低額である50万元の条件を満たす口座は残り16万3500件しかないという。絶えず付きまとう規制強化の懸念も考慮すると、信用取引のさらなる拡大の可能性は限定的に思える。

中国が資本市場の拡大と開放を進めるにつれて、証券ブローカーは本格的な投資銀行へと進化できる有利な立場に置かれている。しかし、債券発行の引き受けや企業買収の助言業務による収入の占める割合は依然として相対的に低い。投資家の資金借り入れ意欲が底を突いたその時、証券各社は現在よりも持続性のある収入源を探し出す必要に迫られるに違いない。

●背景となるニュース

*華泰証券は24日、香港での新株発行価格を想定レンジの上限に当たる24.80香港ドルに決定した。

*同社は14億株を新規発行し、347億香港ドル(44億8000万ドル)を調達する。引き受け会社が発行枠拡大のオプションを行使した場合、最大で399億香港ドルに達する。株式は6月1日に売買開始される予定。

*発行価格は華泰証券の上場株の27日の株価である33.75元に比べて40%割安な水準。中国株式相場の急騰と投資家の信用取引需要の伸びを背景に、同社の時価総額は過去半年間に2倍超に増えた。

*華泰証券は江蘇省政府が支配し、南京に拠点を置く。2014年は売買高で中信証券を上回り、中国の証券ブローカーとして首位だった。

*華泰証券によると、増資による調達資金の60%は顧客の投資や資金調達に充てる。同社は他の中国の証券会社と同様に信用取引の需要が爆発的に増えている。

*華泰証券は2014年、信用取引の融資や貸し株から得た手数料と利子収入などが総収入の21%に相当する33億6000万元(5億4100万ドル)に上った。今年第1・四半期の信用取引融資と貸し株による収入は全体の28%を占めた。

*香港証券取引所に提出された報告書によると、2015年3月末時点で華泰証券の顧客が開設した信用取引および貸し株口座は21万1510件で、預かり資産残高は958億元に上る。同社は規制上の要件に適合する信用取引が可能な顧客はさらに約16万3500人いるとしている。

*競合する海通証券や、GFセキュリティーズは27日、信用取引融資の際の委託証拠金の基準を厳格化すると発表した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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