February 9, 2015 / 8:02 AM / 5 years ago

コラム:中国の輸入急減は「商品安」反映、見かけほど悪くない

[ローンセストン(豪州) 9日 ロイター] - 中国の1月貿易統計は明らかに弱い内容だったとの認識で市場は一致している。確かに、低調な輸出は明白な懸念だが、輸入の急速な減少は見かけほど悪いわけではないというのが私の見方だ。

 2月9日、中国の1月貿易統計は明らかに弱い内容だったとの認識で市場は一致している。写真は昨年11月、中国 江蘇省の連雲港市の港で、貨物船への荷積みを待つ鉄パイプ(2015年 ロイター)

中国税関総署が8日発表した1月の中国貿易統計は、輸出が前年同月比3.3%減となったほか、輸入も19.9%減少した。市場予想では、輸出は6.3%増になり、輸入は3%減にとどまるとみられていた。輸入の減少率は2009年5月以来の大きさだった。

ここで気を付けなければならないのは、貿易統計の増減率はドル建ての貿易額ベースであるということだ。貿易量は考慮されておらず、これは商品(コモディティー)輸入の状況に目を向ければ鍵となるポイントだ。

1月の商品輸入額は前年同月比で大きく減少する一方、輸入量は十分健全な水準を維持しているようだ。もちろん、中国経済が堅調だと結論付けるほど健全だと言いたいわけではない。しかし、パニックに陥り始めるような状況からは程遠いだろう。

全体的な商品輸入の状況をみれば、中国経済は改善と悪化どちらの方向にも強いモメンタムはなく、何とかやっているというような状態だ。

1月の原油輸入は日量659万バレルで、前年同月の水準をほんの0.6%下回るにすぎなかった。前月比でみれば確かに約8%減少しているが、それは前月に中国が原油安に乗じて戦略・商業備蓄を増やしたため、輸入量が過去最高の日量715万バレルに増えたためだ。

2014年通年での原油輸入量平均は日量617万バレルだった。今年1月の水準はこれを上回っており、必ずしも低水準ではなかったということが分かる。

違いは支払った額だ。中国税関当局のデータによれば、昨年1月の1バレルあたりの支払額平均は108.67ドル。今年1月のデータはまだ公表されていないが、14年12月が1バレル77.52ドルであり、ブレント原油価格の下落を考慮すれば、支払額も下落しているとみられる。

鉄鉱石をみると、1月の輸入量は7857万トンで、前年比も前月比も9.5%減だった。

ここでも減少を気にしすぎないほうがいい。12月の輸入量は過去最高だったほか、製鋼所が既に在庫を積み上げているため1月の輸入はもともと減少する傾向にある。

2014年の鉄鉱石輸入量は月間平均で7770万トンと過去最高になった。今年1月の輸入量はこの水準を上回っており、原油と同様に決して低水準ではない。

支払額は昨年1月で1トン=127.68ドル。12月までには75.61ドルとなり、依然として下落基調は続いている。

<デフレを輸出入か>

1月の未加工銅輸入量は41万トン。前月比で2.4%減、前年比で24.1%減だった。

昨年1月の輸入量が例外的に多かったことを考慮すると、2014年通年の月間平均である37万8400トンと比べたほうが適切だ。つまり、今年1月の水準は最近のトレンドをやはり上回っている。

精錬銅への支払額は昨年1月に1トン=7419.90ドルだったが、12月までには6716.90ドルまで下落した。

これら主要3商品をみると、今年1月の輸入量は昨年平均を上回る一方で、支払額が著しい下落をみせていることが分かる。

徹底的に落ち込んだ唯一の商品は石炭だ。1月の輸入量は1678万トンで、前月比38.4%減となったほか、前年比では53.3%も減少した。

石炭輸入は品質をめぐる新規制や国内での供給過剰、汚染対策に絡んだ燃料利用制限の影響を受けている。

全体としては、商品輸入量が高水準を維持する一方、輸入額の大幅な減少の主因は価格下落だという事実が浮かび上がる。

さらに、中国の製造部門にとって商品の輸入価格が大幅に下落していることを考慮すると、輸出額減少の一因は製品価格が下落しているためと言える。

商品価格の下落が製品価格に対するデフレ効果をもたらしていないとすれば一層の驚きだろう。

中国経済は堅調とは言えないかもしれないが、ドル建ての輸出入データを基につまずいていると言うことには用心したほうがいいかもしれない。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below