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コラム:コーン米NEC委員長、政権残留か否かで厳しい選択
2017年8月18日 / 03:47 / 1ヶ月前

コラム:コーン米NEC委員長、政権残留か否かで厳しい選択

 8月17日、米国家経済会議(NEC)委員長のゲーリー・コーン氏(写真)は、これまでのキャリアで最も難しい選択を迫られている。ワシントンで6月撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

[ワシントン 17日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国家経済会議(NEC)委員長のゲーリー・コーン氏は、これまでのキャリアで最も難しい選択を迫られている。

ゴールドマン・サックス(GS.N)の社長として世界金融危機をうまく乗り切ったが、NEC委員長となった今はトランプ大統領を見捨てるよう圧力を受けている。職に留まれば評判に傷がつくかもしれないが、コーン氏はこれまで通商問題でトランプ政権内の過激な主張を抑え、税制改革でも中心的な役割を担っている。コーン氏が備える金融市場での知見を失えば、ホワイトハウス、そして米国が被る痛手は一段と大きくなるだろう。

コーン氏はゴールドマンのトレーディングデスクでキャリアを積んだ。瞬時にリスクを判断する場面が多い、せわしない職場だ。コーン氏は金融危機の際にゴールドマンのナンバー2の立場にあり、ライバルが住宅ローン関連資産を積み上げる中で市場悪化への備えを進めた。それでもなお、同社は著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRKa.N)からの50億ドルの資金注入を必要としたが、破綻したところまであった競合他社に比べれば良い状態で生き残った。

コーン氏は民主党員だが、米金融業界で名を挙げたことでトランプ政権の発足にあたって有望な候補となった。中道派は、コーン氏が政権内で過激な勢力の抑え役になるとして、NEC委員長就任を歓迎した。

コーン氏はこれまでスティーブン・バノン首席戦略官と激しく対峙してきた。バノン氏は左派系インターネットメディア「アメリカン・プロスペクト」のインタビューで、コーン氏との対決姿勢を示し、中国とは経済戦争状態にあると述べた人物だ。

コーン氏は、中国との通商紛争に発展しかねない鉄鋼への高関税導入の無期限延期に助力。またトランプ氏が計画している税制改革の鍵を握っており、合意をまとめる手腕は議会との交渉で威力を発揮するだろう。ただ、トランプ大統領にパリ協定からの離脱を思いとどまらせることはできなかった。

トランプ氏が15日、バージニア州で発生した白人至上主義団体と反対派の衝突について「双方に責任がある」と述べたことで、コーン氏は辞任を促す圧力にさらされている。関係筋がBreakingviewsに明かしたところによると、ユダヤ系であるコーン氏はトランプ氏の発言に気分を害していたという。複数の元同僚は、人物評が回復不可能なほど傷つく前にNEC委員長を辞任するよう同氏に勧めた。トランプ氏の発言を受けて、以前はコーン氏の顧客だった米大手企業のトップが今週に入って次々と大統領助言組織を辞任した。

トランプ政権に留まるかどうかがコーン氏にとってかつてないほど難しい選択であるのは間違いない。今回の判断はコーン氏の今後のキャリア、あるいは連邦準備理事会(FRB)議長就任の可能性に影響するばかりか、米国の行く末にもかかわる。リスク判断で名を成したコーン氏だが、これほど重い判断は初めてだ。

●背景となるニュース

*ロイターは16日、トランプ米大統領の側近の間で、自らの評価を危険にさらしてまでトランプ氏を支えるべきか見極めようとする動きが起きていると伝えた。バージニア州で発生した白人至上主義団体と反対派の衝突についてトランプ氏が15日、双方に責任があると発言したことで、こうした動きが広まった。トランプ氏は白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」やネオナチ・グループばかりが衝突に参加したわけではなく、こうした団体のメンバーにも「非常に良い人々」がいると述べた。

*トランプ氏のコメントが伝わると、米企業トップの多くが2つの大統領助言組織を辞任し始めた。このためトランプ氏は16日、この2つの組織の解散を発表した。

*ホワイトハウス当局者は17日、ゲーリー・コーンNEC委員長に辞任の意向はないと発表した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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