January 18, 2018 / 9:30 AM / 7 months ago

コラム:CPI1%目前、再び試される物価上昇と消費の関係

[東京 18日 ロイター] - 消費者物価(除く生鮮、コアCPI)の前年比がプラス0.9%まで上昇し、エコノミストの間では、1%まで上昇する可能性が高いとの声が多い。

 1月18日、消費者物価(除く生鮮、コアCPI)の前年比がプラス0.9%まで上昇し、エコノミストの間では、1%まで上昇する可能性が高いとの声が多い。原油価格が上がっているため、1%前半への上昇もありそうだが、個人消費がどうなるかによって国内景気のマインドは大きく左右されるだろう。都内で2016年1月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino/File Photo)

原油価格が上がっているため、1%前半への上昇もありそうだが、個人消費がどうなるかによって、国内景気のマインドは大きく左右されるだろう。

賃上げで物価上昇を跳ね返して消費が拡大するのか、それとも消費が伸び悩んで沈滞ムードに包まれるのか。大きな分かれ道が日本経済に迫っている。

<14年の消費増税でわからなくなった物価と消費の関係>

2017年11月のコアCPIは、前年比0.9%の上昇だった。消費増税の影響を除くと、13年10月に同0.9%、12月に同1.2%、14年1─3月が同1.3%となって以来の高い伸びといえる。

前回は14年4月に消費税が5%から8%に引き上げられたため、その後の消費は増税の影響で落ち込みを免れなかった。

ただ、一部のエコノミストは、増税の前から物価の上昇を要因として、消費に陰りが見えていたとの見方を示していた。

今後、消費がどうなるかを予想するうえで、天候不順などで食料品が値上がりした2015年のケースを振り返ってみたい。

16年の内閣府の分析では、値上がりを背景に食料品の購入額が増加したが、消費者はその他の項目で節約し、結果として非耐久消費財の消費は前年比マイナスに落ち込んだ。

足元の消費でも実質所得がほぼ横ばいで推移する中で、物価が上昇すると選択的な消費傾向が強まり、全体として個人消費が抑制傾向になると予想するエコノミストが少なくない。

<社会保険料などの負担、実質可処分所得を圧迫>

また、17年の経団連のリポートでは、12年度から16年度に雇用者報酬等は全体で約9兆円増加したが、税や社会保険料の負担が5兆円増えたので、実質可処分所得の増加は4兆円にとどまったと指摘している。

今年の春闘で経団連は3%の賃上げを目指すべきだと政府方針に同調したが、実際に3%賃上げを実施する企業が増えても、社会保険料等の負担を勘案すると、実質可処分所得の伸びが、かなり圧縮される展開も予想される。

さらに消費全体に占める年金受給者の割合が年々増加し、社会保障制度の将来像への不安から、物価上昇分を消費抑制で対応する可能性が根強くあるのではないかとの懸念も生じさせている。

<試される株高の消費押し上げ効果>

現実に消費マインドがどのようになるのか──。先行きを予測するうえで試金石になりそうなのが、足元の生鮮食品の急激な値上がりが消費全体に影響を与えるかどうかという点だ。

農水省の調査によると、冬の食卓の主役「鍋物」に欠かせないハクサイは、1キロ当たり338円と平年の2倍を超す高値。キャベツも同392円、レタスも同1382円と葉物野菜の大幅な値上がりが目立つ。

生鮮野菜の値上がりで食費がかさみ、他の消費が落ち込むのか、それとも今年の賃上げを当て込んで、他の支出は順調に伸びるのかどうか。

日経平均.N225が18日、2万4084円台まで一時上昇し、1991年11月以来の高値を付けた。これにより株式保有者の懐具合は、かなり暖かくなっていると思われる。

その効果が消費全体をどの程度押し上げるかによって、日本経済の「見え方」もかなり変わってくるだろう。

物価と消費の関係は、今後の日本経済の行方を予測する点で、極めて重要であると言わざるを得ない。

●背景となるニュース

・全国CPI、11月は+0.9%、ガソリン・コメ上昇でプラス幅拡大

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