February 9, 2015 / 7:27 AM / 4 years ago

コラム:「ドローンの脅威」を理解すべき理由

[4日 ロイター] - 市販されている無人飛行機(ドローン)に関する「最悪のシナリオ」を想定してみよう。先月26日には米ホワイトハウスの敷地内にプロペラが4つある無人機「クアッドコプター」が墜落する騒ぎがあったが、ここではもっと深刻なドローンの脅威を考えてみたい。

 2月4日、市販されている無人飛行機(ドローン)に関する「最悪のシナリオ」とは何か。テクノロジーの発達に伴い、爆薬などを搭載したドローンを編隊飛行させ、一斉に爆発させることも可能だろう。米ニューヨーク市で1月撮影(2015年 ロイター/Carlo Allegri)

例えば、爆薬や金属片、ボールベアリングなどを搭載したドローンはどうだろう。テクノロジーの発達に伴い、そうしたドローンを編隊飛行させ、一斉に爆発させることも可能だろう。

問題は、どうやってそれを防ぐかだ。

突拍子もないことに聞こえるかもしれない。しかし、米国防総省や米国土安全保障省の当局者は今、実際こうしたシナリオに頭を悩ませている。テロリストによるドローン攻撃は「まだ」起きていないが、十分に可能性はある。ドイツ警察は、2013年にドローンを使った攻撃を計画していたとして複数の極右過激派メンバーを逮捕した。

自動車を使った爆弾攻撃と同様、ドローン爆弾は安価で場所を選ばず、誰にでもできる攻撃の手口となり得る。ドローンを使えばフェンスを飛び越え、検問所も回避できる。速い移動が可能なため、治安当局に十分な対応の時間も与えない。もし議員や軍幹部、そして大統領が狙われたらどうなるだろう。

良いニュースは、ドローンは簡単に無線妨害できることだ。ほぼすべてのドローンは、地上の操縦者と無線でつながっているため、電子妨害には弱い。正確なセンサーがあれば、近隣を飛行するドローンの位置をピンポイントで特定でき、妨害電波発生装置を使ってドローンを無力化させることもできる。市販されているドローンの多くに対しては、この撃退方法が極めて有効だろう。

模型ショップなどで売られている一般的なドローンは通常、2.4もしくは5.8ギガヘルツの周波数を使って情報をやり取りしている。同一周波数を使った2つの機器は信号が干渉し合い、混信状態となることがあるため、多くの電波が飛び交う都市部でドローンを飛ばすのは本質的にリスキーだと言える。

ドローンのソフトウエアの多くは暗号処理も施されていない。軍が使う最先端の無人偵察機でさえ、この脆弱性に長年悩まされてきた。アフガニスタンでは、米軍の無人機「プレデター」の撮影した映像が、反政府武装勢力タリバンによって傍受されていた。

一方、都市部や空港などの「密集地」でドローンの位置を特定し、無線で妨害したり、機体を乗っ取ろうとすれば、それはそれで難しい問題に突き当たる。最先端のセンサーや妨害電波発生装置は非常に高価だからだ。ニューヨーク・タイムズ紙によると、米国土安全保障省は昨年7月にミネアポリスで行われた米大リーグ(MLB)のオールスター戦で、ドローン探知用のセンサーを配備したが、「一晩だけで数十万ドル(数千万円)のコスト」がかかったという。

米大統領警護隊(シークレットサービス)は、車両に隠し込んだ無線通信妨害装置を使っている。こうした機器は遠隔操作される簡易爆弾を無力化することは可能だ。しかし、広範な周波数帯に影響を及ぼすため、近くの携帯電話と電波干渉することがある。

米国では1934年通信法に基づき、電波妨害機を使うのは基本的に違法でもある。また民間の無人機を撃墜するとなれば、まったく別の難しい問題も出てくる。しかし、米国以外ではすでに、民間無人機が撃ち落とされた例はある。

中国では2013年12月、北京首都国際空港に近づいてきた翼長2.5メートルの無人機を軍が撃墜する事件があり、その影響で複数の空の便に遅れが出た。中国人民解放軍の機関紙「解放軍報」によると、同事件で警察は、公共の治安を危険にさらしたとし、北京の無人機メーカーの従業員3人を逮捕した。

先月26日に起きたホワイトハウス敷地内へのドローン墜落は、脅威というほどではなかったかもしれない。無人機を飛ばしていたのは米国防総省傘下の国家地球空間情報局(NGA)で働く職員であり、当時は酒にも酔っていたという。この事件を受け、米大統領警護隊が首都ワシントン上空で無人機の警戒に当たるようになるとは考えにくい。

ただ、米政府に踏み込んだ対応を求める声はある。イライジャ・カミングス下院議員(民主、メリーランド州)は、イスラエルのミサイル迎撃システム「アイアンドーム」に似た防御システムの構築を呼びかけている。

同議員はワシントン・ポスト紙に「イスラエルの友人たちがアイアンドームのおかげで安心して生活しているように、ホワイトハウスの住人にも安心してもらいたい。われわれに危害を与えようとする者には、ホワイトハウス上空は侵入不可能だと分からせたい」と語った。

ただ、アイアンドームも鉄壁ではない。飛来するロケットを上空で撃墜したとしても、弾頭が地上に落ちてくる可能性はある。ドローンでも同じことが言えるのではないか。

*筆者はブログサイト「Medium.com」の防衛担当記者兼編集者。ニュースサイト「The Daily Beast」などでも執筆する。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below