2017年7月24日 / 07:01 / 5ヶ月前

コラム:相場逆転のリスク膨らむユーロ高

Swaha Pattanaik

 7月21日、トレーダーは、危険を冒しながらユーロ相場を押し上げている。写真はユーロ硬貨と米ドル紙幣。ワルシャワで2011年1月撮影(2017年 ロイター/Kacper Pempel)

[ロンドン 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トレーダーは危険を冒しながらユーロ相場を押し上げている。最近のユーロの上昇は、インフレ率が依然低水準にあるこの時期に輸入価格を押し下げるリスクを抱えている。一方、為替の上昇で欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が緩和策を長期化させる兆候を少しでも示せば、再び下落の道をたどることは避けられない。

ユーロは21日に2年ぶりに1.1670ドルを突破。ECB理事会後の総裁会見を受けた上昇から上値を伸ばした。ドラギ総裁は、ECBは債券買い入れプログラムの縮小を急ぐよりも忍耐強く慎重になると述べており、この反応は妙だ。教科書では、金融緩和は債券価格を押し上げ為替相場を押し下げることになっている。ユーロ圏の債券相場はこの通り上昇したが、為替トレーダーの動きは違った

理由の一つと考えらえるのは、ドラギ総裁が経済状況に前向きにコメントする一方、最近のユーロ高に対して明確な懸念を表明しなかったことに安心したという点だ。ユーロは2月以降貿易加重の通貨バスケットに対して5%、対ドルでは10%上昇した。これについてドラギ総裁は、為替相場のリプライシングで「一定の注目を集めた」と述べるにとどまった。

一方で総裁は、ECBが最も望まないことは、いかなるかたちであれ金融環境が引き締まりユーロ圏の景気回復を妨げることと強調した。過去の経験則からみると、ユーロの貿易加重相場が10%上昇するとインフレ率は0.4─0.5%ポイント押し下げられる。これはECBが必要とすることではない。ユーロ圏の6月の物価上昇率は前年比で1.3%にとどまり、ECBが目標とする2%をやや下回る水準には遠く及ばない。ユーロが上昇すればするほど、相場逆転のリスクは大きくなる。

●背景となるニュース

*ユーロは21日に1.1670ドルを突破し2015年8月以来の高値をつけた。20日のドラギ総裁会見以来、対ドルでは1.6%上昇している。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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