June 7, 2018 / 12:52 AM / 2 months ago

コラム:崖っぷちのフェイスブック、中国企業との情報共有で

[ワシントン 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米フェイスブック(FB)(FB.O)は、中国に関する問題で政治的に最悪の過ちを犯した。FBは既にロシアの米大統領選干渉疑惑に絡んで議会から追及されている。

しかし中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と利用者情報を共有していた事実を今まで隠していたことは、与野党双方の政治家を激高させるとみられ、同社の事業が制約を課される公算が大きい。

FBに対する米政界の怒りは過去1年で高まり続けてきた。ロシアがFBやグーグル、ツイッター(TWTR.N)といったソーシャルメディアを政治宣伝に利用していたとされる問題で、議会は公聴会を開いている。英データ分析会社ケンブリッジ・アナリティカがFBの利用者情報を不正入手した件では、FBのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が4月に議会で証言した。

しかしこれらの事案は党派性という要素が働いて状況を複雑化させた。ロシアの干渉はトランプ大統領陣営の追い風になったとの見方があるためだ。こうした中でザッカーバーグ氏は、不祥事に見舞われたトップとしては、ウェルズ・ファーゴ(WFC.N)の元CEOのジョン・スタンプ氏よりも、かなりうまく事態を乗り切ってきた。

ところがファーウェイとの情報共有は、与野党双方の政治家の激怒を誘っている。与党共和党、野党民主党ともに、長らくファーウェイを国家安全保障上の脅威だとみなしてきたからだ。そのためファーウェイは米国企業の小規模な買収さえ認められていない。対米外国投資委員会(CFIUS)は、半導体のブロードコム(AVGO.O)が同業クアルコム(QCOM.O)を買収する計画を却下した理由として、ファーウェイの第5世代通信規格(5G)に関する野心的な計画を具体的に挙げたが、これは極めて異例な動きだった。

与野党議員はそろってFBとファーウェイの情報共有を批判し、ザッカーバーグ氏がなぜこれまで議会に両社のつながりを公表しなかったのか回答を迫っている。FBはファーウェイとの関係を今週解消すると表明したものの、議会は二度とFBが同じ間違いをしないような法制度の整備に意欲を見せるだろう。それは例えば情報開示に関する新たな基準や、国家安全保障面で懸念のある事業提携への制限、消費者権利保護分野での新法、FBの市場支配力を弱める独占禁止政策といった形になるかもしれない。

米連邦取引委員会(FTC)にFBの処罰を求める声はさらに強まるだろう。FTCは2011年、FBにプライバシー慣行の是正を命令し、同社がそれを順守しているかどうかきっちり監視する役割が与えられていた。ただ同社への調査を行いながらも、期待された責任を果たせていない。だからファーウェイとの情報共有問題は、巨額の制裁金やFBの活動へのさらなる制限などの措置につながってもおかしくない。また議会が、FTCにより強大な権限を与えるケースもあり得る。

 6月6日、米フェイスブックは、中国に関する問題で政治的に最悪の過ちを犯した。写真は同社のザッカーバーグCEO。ワシントンで4月撮影(2018年 ロイター/Leah Millis)

11月の中間選挙で民主党が上下両院の過半数議席を獲得すれば、FBに注がれる目はもっと厳しくなる見通しだ。もっともファーウェイの問題によって政治情勢がどうなろうと、FBに吹く逆風が一層激しくなるのは避けられなくなっている。

●背景となるニュース

*米下院エネルギー・商業委員会の与野党幹部は6日、FBがファーウェイなどの中国企業との利用者情報を共有していた事実を公表すべきだったと批判した。米紙ニューヨーク・タイムズが3日、この利用者情報共有問題を伝えていた。

*米上院商業科学運輸委員会は5日、FBのザッカーバーグCEO宛て書簡で、FTCが2011年にFBに出した命令に準拠した利用者情報共有契約への監査を行っていたかどうか質した。

*FBは2011年、プライバシー慣行を巡る問題でFTCの是正命令を受け入れることに同意している。

*FBは5日、ファーウェイと他の中国3社と交わしていた利用者情報共有合意契約を今週打ち切ると発表した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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