May 1, 2014 / 12:12 AM / 4 years ago

コラム:米経済活動は「上向いた」と言えるのか

James Saft

[30日 ロイター] - 米連邦公開市場委員会(FOMC)は30日、緩和縮小に突き進んだ。普段なら退屈なFOMC声明から引用することは好まないのだが、今回はチェックしてみよう。

「3月のFOMC以降に入手した情報は、経済活動の伸びが悪天候の影響もあって冬場に急激に鈍化した後、最近は上向いた(picked up)ことを示している」

この世界は「あなたは最近、私に何をしてくれたの」というのが全てであることは分かっているが、これは単に愚かなだけだ。

4月に成長は上向いたかもしれないが、それは文字通り今年1─3月がほとんど成長していなかったのを受けたものだ。

この日発表された第1・四半期の米国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比0.1%増にすぎず、これもヘルスケア関連支出が大幅に増加したおかげだ。それを除けば約1%のマイナス成長だったことになる。

こうしてみれば、経済活動が最近上向いたとFOMCが言っているのは、前日にトルネードの直撃を家に受けた男が、きょうは窓に板を張ったから自宅は改善したと言っているのに少し似ている。

どちらのケースも天候は改善したかもしれないが、いずれにせよ依然として相当な困難に直面していることは間違いない。

それでもFOMCは緩和縮小を続けている。

FOMCはまた、住宅市場の回復が緩慢にとどまっていると指摘した。私も回復は緩慢だと言うだろう。

住宅投資は第1・四半期GDPに対し、2四半期連続でマイナスに寄与した。つまり、成長の足かせになっているということだ。

緩和縮小の結果の1つは、現時点で連邦準備理事会(FRB)が月額250億ドルの国債とともに、エージェンシー発行モーゲージ債(MBS)を月額200億ドルしか買い入れていないということだ。期間30年の住宅ローン金利をみると、現在は4.3%で、1年で73ベーシスポイント上昇した。これでは住宅ローン契約や住宅投資の助けになることはできない。

これは真の引き締めだ。そうでないならば、住宅ローン金利が低下し、投資が上向くことをある程度期待するかもしれない。

確かに、第1・四半期は悪天候で経済が減速したため、今後は幾分の反転が期待できるかもしれない。しかし、2四半期連続の住宅投資の不振をニューヨークにおける1月の寒波のせいにするのは、サクラメントやラスベガスを無視することになる。それはまた、住宅保有の拡大に対する真の障害を無視することになる。

私は量的緩和(QE)がその全てを解決することができると言っているわけではないが、そうした背景があるにもかかわらず、FRBが債券買い入れプログラムから退出しているということをわれわれは認識すべきだと言っているのだ。

<金融の安定>

もちろん、経済には消費者信頼感や支出といったまあまあ強固な部分もある。だが、労働市場は依然として非常に弱く、インフレ率は脅威ではない。それらは全て0.1%成長には沿っているが、表面的にみて緩和縮小には沿っていない。

であるなら、FOMCはなぜそんなに急いでQEから手を引こうとしているのだろうか。まずは、それに対する答えは1つでないことを認識することが需要だ。FOMCはさまざまな意見を網羅しており、単純に「タカ派」と「ハト派」に分けるよりも相違はさらに複雑だ。

少なくとも一因は、リスクと利益を分析した上で債券買い入れを終了させたいと思ったためだろう。QEは間違いなく刺激性を持つが、利益の分配は均等ではなく、金融仲介ポイントに近いところに利益は集中している。

同様に、信用市場ではバブルという名のリスクが拡大している。

5月末に退任するFRBのスタイン理事は、「金融の安定」と、「FRBの2つの使命」の間で論争があれば、おそらく金融の安定に傾きすぎて失敗するかもしれないとの見方を示した。

信用市場がバブルの領域に入っていると言うつもりではないが、さえない成長や低インフレ、刺激政策の縮小をめぐり明確な論争があることを考慮すれば、FRBの決定を見極めるのにそうした見方は役に立つ。

現時点で、FRBは安定を選択しているように見える。おそらくそれは、成長と異なり、安定は実際に達成可能かもしれないためだろう。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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*一部表記を修正して再送します。

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