December 25, 2017 / 10:07 AM / 9 months ago

コラム:ドル円、日本勢不在の年末年始に動きあるか=佐々木融氏

[東京 25日] - ドル円相場は12月4日以降の3週間、111.99円と113.75円の間の1.76円という非常に狭いレンジ内での上下動を繰り返している。もう少し長めの期間でみると、9月半ば以降の14週間のレンジは110.83円から114.73円と4円以下のレンジとなっている。14週間のレンジが4円以下にとどまったのは2015年5月以来2年半ぶりのことだ。

ドル円相場は年間を通じても107.32円から118.60円の9.6%のレンジ内での動きとなった。年間のレンジが10%を切ったのは1980年以降では過去に3回しかない。

2017年は米ドルが主要通貨のなかで最も弱い通貨となり、円は4番目に弱い通貨となった。どちらも冴えないパフォーマンスだったことがドル円相場を狭いレンジ内の動きにとどめたと言えよう。

<クリスマス明けから正月三が日までは特に警戒必要>

さて、すでに世界の市場はクリスマス休暇入りしており、数日間は市場参加者もまばらで閑散とした状態が続くと考えられる。25日と26日は為替市場もほとんど動かないだろう。

しかし、よく言われるように、欧米の参加者はクリスマスが終わると基本的に休暇シーズン終了というムードになってくる。1月1日は欧米各国とも休日だが、これはどちらかというと単発の休日といった認識で、2日からは通常通りの取引が行われる。

日本はハロウィーンにせよ、クリスマスにせよ、欧米の習慣も取り入れて楽しんだ上で、日本の独自の習慣も維持するので、年末年始はクリスマスから正月3日までと、休暇シーズンが長い。しかし、為替市場はどこかの国で銀行がオープンしていれば動くので、日本が銀行休業日となる12月31日も、1月2日、3日も通常通り動くことになる。ほぼ日本だけが営業している12月25日はドル円相場もほとんど変動しないが、日本が完全にお正月気分に浸っている1月2日は比較的大きく値動きする。

実際、過去の動きをみても、クリスマス休暇明けから正月三が日までのドル円相場の動きは大きい。例えば、2016年末から2017年初は、クリスマスから12月28日までの3日間は80銭程度のレンジ内で推移していたが、29日、30日の2日間で1円以上下落した後、年明けの1月2日、3日で2円程度反発した。

その前の年、2015年末から2016年初にかけては、クリスマスから年末までは小動きにとどまったが、世界的にも年明け最初の営業日となった4日にドル円相場は2円弱急落した。2014年末から2015年は12月30日に約2円急落した後、12月31日、1月2日に下落分を全て取り戻す反発をみせた。2013年末から2014年初は12月26日から30日までの3営業日で1円上昇した後、1月2日、3日で1円以上急落した。

こうした現象は、欧米の市場参加者が本格的に取引を始める一方、日本の参加者が引き続き休んでいることが影響している、と言いたいところだが、実はドル円相場よりユーロドル相場の方が年末年始に大きく動く傾向がある。クリスマスから1月3日までの変動幅を過去5年間さかのぼると、ドル円の平均変動幅が1.5%のところ、ユーロドルのそれは2%だった。過去5年のうち4年、変動幅はユーロドルの方がドル円より大きかった。

つまり、日本が休みというよりは、そもそも年末年始は市場参加者が限定的となるなか、それなりに取引が行われることから、動きが大きくなる傾向があるのかもしれない。

2017年は日本が銀行休業日となる12月31日が日曜日であることは幸いするが、2018年に入って、1月2日、3日は火曜日、水曜日なので、この辺りで大きな変動が起こる可能性には注意が必要だろう。

1月2日と3日に動くとしても材料となりそうなものはさほど多くない。米国では2日に12月製造業購買担当者景気指数(PMI)の確報値が発表されるほか、3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されるが、米金融当局高官の発言は予定されていない。ユーロ圏からも1月2日に12月PMIの確報値が発表される程度だ。

強いてあげれば、中国の12月PMIだろうか。中国の12月製造業PMIは国家統計局分が12月31日、財新/マークイット分が1月2日に発表される。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

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