February 27, 2018 / 11:47 PM / 9 months ago

コラム:パウエルFRB議長、議会証言で見せた「手腕」

[ワシントン 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、自身の政治対応力によって金融政策の面で自由に動ける余地を手に入れつつある。

 2月27日、パウエル米FRB議長(写真)は、自身の政治対応力によって金融政策の面で自由に動ける余地を手に入れつつある。ワシントンで撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

パウエル氏は、就任後初の議会証言を巧みにさばき、利上げを加速させたいという意向はほとんど見せなかった。それどころか同氏が政治的な良識を備えていることに加え、議会では友好的な共和党が多数を占めるため、FRBは利上げを我慢して米経済を幾分熱気を帯びた状態でまだしばらく動かす裁量を得られる。

パウエル氏は、ここ数カ月で経済見通しが上向いたと述べた一方、市場のボラティリティーは重要な懸念要素としなかった。米10年国債利回りが急上昇し、株価が軟化したのはこれが理由かもしれない。しかし同氏は前任のイエレン氏が打ち出した利上げと資産縮小を緩やかに進めるという路線を踏襲すると強調した。またFRBが掲げる2%の物価上昇率という目標について、下振れもあれば上振れもある「対称的」なものだと繰り返し表現した。

対称的という文言は、21日に公表された直近の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でも見られた。個人消費支出(PCE)物価指数は、FRBが2012年に目標に位置付けると宣言して以来、上昇率がずっと2%を下回っている。議事要旨では、何人かのメンバーが予想物価上昇率が下振れしているのではないかと懸念を表明。彼らは、FRBが物価目標は対称的存在だと強調し、PCE物価指数上昇率が2%を超えても必ずしも政策対応しない場合があると示唆するよう要望した。また一部からは、目標をレンジに移行したり、過去の物価下落を穴埋めできる枠組みに目標を修正するというアイデアまで提案された。

イエレン氏も同じ問題に苦闘してきた。しかし皮肉なことに、パウエル氏のように共和党穏健派に指名された銀行畑の議長は、物価目標を確実に対称的な状況にする上でより適切な立場にあるのかもしれない。今回の議会証言を見ると、パウエル氏はイエレン氏より共和党が支配する議会と良好な関係を保っていけそうな様子だ。

一部議員は、経済学者出身者の議長が何十年も続いてきただけに、銀行とプライベートエクイティで働いていたパウエル氏の議長就任を好ましい変化だととらえている。パウエル氏がほとんど専門用語を使わずに証言したことも、間違いなく好感を与えたはずだ。

議会とFRBの親密度が増せば、FOMCは物価上昇率が多少上振れするのを容認しても政治的にたたかれにくくなる。物価上昇ペースは加速しており、そうした上振れ許容を決断する日は早まるかもしれない。物価上昇率が何年にもわたって目標を下回る状態が続いてきた点からすれば、FRBが目標の対称性について最低でも考慮に入れないなら、任務怠慢になるだろう。

●背景となるニュース

*パウエルFRB議長は27日に下院金融サービス委員会で初の議会証言を行い、経済の過熱回避と物価上昇率を持続可能なペースで2%まで高めることを両立させると約束した。

*パウエル氏は、FRBが利上げと資産縮小を緩やかに進める方針を維持すると表明した。次回のFOMCは3月20─21日に開催される。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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