January 31, 2019 / 12:11 AM / in 6 months

コラム:FRB、市場との対話でも「忍耐強さ」決意

[ワシントン 30日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)は、同じ趣旨の話を違う形で言おうとしている。今回の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利は据え置かれ、今後は経済動向次第で判断するとのメッセージを改めて発したことで、株価は上昇した。

 1月30日、米連邦準備理事会(FRB)は、同じ趣旨の話を違う形で言おうとしている。写真は会見するパウエルFRB議長。ワシントンで撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)

経済動向によってバランスシートの縮小計画を見直すとしたのも、厳密には初めてではない。それでも過剰なほど神経質になっている投資家には、念を押すことが必要だった。

FOMC声明は昨年12月の前回分に比べてハト派色が増したように思われる。特に注目されるのは、利上げについて「忍耐強く」対応すると記された点だった。ただしそれは経済情勢の変化が理由だ。物価上昇力は弱まり、原油安によって一段と下振れしかねない。ミシガン大が調査した1月消費者信頼感指数速報値は、トランプ大統領の当選後の最低水準に沈んだ。調査では、米政府機関の一部閉鎖や世界的な景気減速、関税問題などが懸念材料として挙げられた。

パウエルFRB議長は会見でも、金融政策運営における忍耐強さを繰り返し、「様子見」の政策が妥当だと発言。米経済はなお良好な状態にあるものの、「さまざまな逆風」も強まっていると指摘した。

FRBはあくまで金利が主要な政策手段に変わりはないとくぎを刺しつつ、経済情勢の観点でそれが正しいなら、バランスシート縮小ペースの調整を図る意向も示した。実はバランスシート縮小を開始した2017年10月からしばらく経過した18年4月にも、ほぼ同じ内容のコメントをしている。

一部のタカ派論者は、パウエル氏がトランプ氏の続けてきたFRBたたきか、短期的な市場の圧力に屈したと批判する。もちろんパウエル氏はそんなことはないと反論しており、経済データから見れば明らかにパウエル氏の言い分に軍配が上がる。とはいえパウエル氏は、もう少し発言に一貫性を持たせても良いのではないか。例えば先月には、FRBのバランスシートは最終的に「相当」小さくなると述べているし、バランスシート縮小は「自動操縦」モードと言ったそばから、縮小ペースの柔軟性に言及してきたからだ。

もっとも投資家側の反応も大げさに過ぎることがしばしばで、まるでFRBの政策運営がかつて当たり前だった柔軟性をなくし、1つの方向にずっと固定したものになったかのように振る舞っている。

そこでFRBは今回、忍耐強く政策運営を進めていくと市場に理解してもらうまで、辛抱して何度でも言い続けることを決めたわけだ。

●背景となるニュース

・FRBは30日まで開いたFOMCでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に据え置くことを決定。米経済見通しを巡る不確実性の高まりを挙げ、年内の一段の利上げに忍耐強くある姿勢を示した。

・FRBはバランスシート正常化においても以前のガイダンスを繰り返した。経済や金融の情勢に基づき、縮小ペースを調整する準備ができているが、政策金利の調整が金融政策の主な手段だと改めて表明した。

・バランスシートの縮小ペースは2018年10月以降、米国債が毎月300億ドル、エージェンシー債とモーゲージ担保債が200億ドルとなっている。08─09年の金融危機以前、FRBの資産は1兆ドル未満だったが、14年12月には4兆5000億ドル超に達していた。縮小を開始したのは17年第4・四半期で、足元までに資産規模は4兆ドル強に減った。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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