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コラム

コラム:ヘッジファンドの米国債先物売り、休止は短期間か 10月CPIの記録的上昇で

[オーランド(米フロリダ州) 16日 ロイター] - ヘッジファンドは先週、10月米消費者物価指数(CPI)が発表される前に米国債先物への執拗な売りをいったん中止した。しかしCPIが31年ぶりの高い伸びとなったことから、休止は短期間で終わりそうだ。

ヘッジファンドは先週、10月米消費者物価指数(CPI)が発表される前に米国債先物への執拗な売りをいったん中止した。しかしCPIが31年ぶりの高い伸びとなったことから、休止は短期間で終わりそうだ。写真は米ドル紙幣。ソウルで2011年9月撮影(2021年 ロイター/Lee Jae-Won)

10日発表の10月CPIは前々から、米連邦準備理事会(FRB)の利上げのタイミングや、今後数年間の利上げ幅を見極める上で重要だとされてきた。

期待は裏切られなかった。CPIは前年同月比上昇率が6.2%と1990年以来の高水準となり、FRBは後手に回っているのではないかという、以前から高まっていた議論に油を注いだ。

一方、米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した9日までの週のデータによると、ファンドは10月CPIの発表前に10年物米国債先物の売り越しを1337枚減らし、26万7332枚としていた。

こうした動きにより10年債の利回り上昇に賭けるポジションの大幅な積み増しに歯止めが掛かった。10月の先物売りは29万6052枚と、ショート方向への転換としては2005年以来最大の動きとなり、1980年代半ばの米国債先物取引の開始以降で2番目の大きさだった。

CPI発表前週の売りは2018年3月以来の高水準で、10月と11月の月初来を合わせた売りは44万8539枚と、2カ月移動平均としては過去最大だ。

<疑われる「一過性」>

バークレイズのエコノミストチームは、供給調整が徐々に進むにつれて、目先のインフレに対する不確実性が「異常に高まっている」と指摘した。10月CPIの発表を受けて、予想物価上昇率も再び新たなピークに向けてじりじりと上昇し始めた。

バークレイズは15日のリポートで、「10月CPIは基調的なインフレ圧力を過大評価していると考えるが、ボラティリティーと不確実性が続いていることを示している」と指摘した。

短期金融市場は来年2回の利上げを見込んでおり、うち1回目の時期が7月から繰り上がることはなかった。しかし年末に向けて3回目の25ベーシスポイント(bp)の利上げが行われる可能性が織り込まれ始めた。

ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)の再上昇は政策担当者にとって、徐々に無視できないものになってきているのではないか。

10月CPIの発表後に1年物から30年物まで、指標となる全BEIが過去数年で最高となり、約20年ぶりの高水準をつけたものもある。

この数日、ラリー・サマーズ元米財務長官、ビル・ダドリー前ニューヨーク連銀総裁、元英イングランド銀行金融政策委員会メンバーのウィレム・ブイター氏など元政府高官や中銀高官が次々とFRBに対して、インフレは「一過性のもの」であり、もう少し様子を見る余裕があるという見解を見直すよう求めた。

ファンドは10年物国債については売り圧力を弱めたが、CFTCの直近データによると5年物米国債先物の売り持ちは差し引き3万1132枚増えて40万7485枚と、過去1年間で最大となった。

一方、2年物国債先物の売り持ちは差し引き4万6371枚減の1万6737枚と、3週連続で減少し、8月下旬以来の水準に縮小した。

年限によって動きが一貫しないことから、市場に不確実性が漂っている様子が読み取れる。しかしファンドは不確実性とボラティリティーの上昇の果実を享受しているようだ。

調査会社HFRの指標であるHFRIマクロ指数は10月に1.46%上昇して5月以来で初めてプラスとなり、10月としては4年ぶりに上昇した。

(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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