November 17, 2014 / 3:17 AM / 5 years ago

コラム:世界の株式市場、本格的な強気相場の始まりか

[14日 ロイター] - 世界の株価は10月半ばに急落する場面があったが、今後は1950年代から60年代、あるいは80年代から90年代にかけてのような長期的な強気相場に入る可能性が高い。

 11月14日、世界の株価は10月半ばに急落する場面があったが、今後は長期的な強気相場に入る可能性が高いと、ジャーナリスト兼金融エコノミストのカレツキー氏は指摘。ニューヨーク証券取引所で9月撮影(2014年 ロイター/Lucas Jackson)

構造的な強気相場入りを予想する理由は主に4つある。

まず第1に、ここ数十年で最悪の金融・経済危機が終わりを告げ、世界経済はまずまずの成長を享受している。第2に、世界全般で経済・財政政策が非常に予見可能なものになり、それゆえに金融市場の混乱を引き起こしにくくなっている。第3に、技術革新が続いて投資、消費双方の需要を刺激するような新商品やサービスが生まれている。最後の点として、少なくとも先進国においてはインフレがほぼ消滅し、金利が極めて長期間にわたり低水準にとどまることが保証されている。

こうした好環境の下であっても、市場の常として小規模な相場調整やパニックは今後も起こり続けるだろう。10月に株価が調整した背景には、原油価格の急落と、欧州および日本の景気指標悪化という2つの明白な材料があった。原油安は消費者や企業利益には恩恵をもたらすため、最初の材料への反応は一時的なものに終わるはずだ。

それとは対照的に、日欧の景気低迷は投資家にとって真の悪夢となる。米国経済がいかに好調でも、日欧がリセッション(景気後退)に入る可能性に目をつぶるわけにはいかない。とりわけそれぞれの政府や中央銀行が財政・金融面の刺激策による成長復活という米国モデルに従おうとしないなら、懸念は高まる。

幸い、日欧の経済政策はマヒ状態を脱した。経済政策が息を吹き返したことを示す最も印象的な兆しが、日銀による10月31日の追加金融緩和と、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本株と外債の保有割合を2倍以上に増やすとの発表だった。

これらの刺激策をさらに補強する材料が、安倍晋三首相が消費税の再増税を延期するもしれないとの報道だ。首相は総選挙を行うことで、追加的な改革へのフリーハンドを強化できる可能性もある。

この結果、日本は来年、2013年のような良好な経済環境を取り戻せる可能性が高い。4月の消費税増税で芽生えた投資家の悲観論が消え去ったのは正しい。事実が変われば人々の心も変わるのだ。

同様にサプライズなのは、欧州も景気刺激に舵を切ろうとしていることだ。これは欧州中央銀行(ECB)による13日の発表と、フランス、イタリア両政府が従来よりも大幅な財政赤字を計上する見通しとなったことで明らかになった。

欧州委員会は両国の予算案を受け入れ、緊縮を求めるドイツの要求を無視した。これは欧州の景気回復の大きな阻害要因だった財政緊縮に終止符が打たれるサインだ。ドラギECB総裁がバランスシートを1兆ユーロ拡大し、そのために必要な政策手段を尽くすと初めて約束したことは、さらに重要だ。この発言は、ECBがようやく大規模な量的緩和に同意したことを実質的に意味している。

日欧がついに米国型のロードマップに追随する準備ができたからといって、突如として成長の障害がすべて取り除かれるわけではない。しかしこれで構造改革の実施はより容易になり、効果も増すだろう。つまり世界経済の持続的拡大の見通しが、1カ月前に比べてずっと明るくなったということだ。

世界経済見通しの好転は、株価が10月半ば以来力強く持ち直したことを正当化して余りある。株式市場の本格的な強気相場は始まったばかりなのかもしれない。

*筆者はロイターのターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このコラムは抜粋して翻訳しています。全文(英文)は以下URLでご覧ください。

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*アナトール・カレツキー氏は受賞歴のあるジャーナリスト兼金融エコノミスト。1976年から英エコノミスト誌、英フィナンシャル・タイムズ紙、英タイムズ紙などで執筆した後、ロイターに所属した。2008年の世界金融危機を経たグローバルな資本主義の変革に関する近著「資本主義4.0」は、BBCの「サミュエル・ジョンソン賞」候補となり、中国語、韓国語、ドイツ語、ポルトガル語に翻訳された。世界の投資機関800社に投資分析を提供する香港のグループ、GaveKal Dragonomicsのチーフエコノミストも務める。

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