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コラム:上出来のゴルディロックス相場、今年の勝ち組と負け組
December 8, 2017 / 5:07 AM / 7 days ago

コラム:上出来のゴルディロックス相場、今年の勝ち組と負け組

Jamie McGeever

 12月5日、2017年の世界経済および金融市場は「ゴルディロックス(適温)」になるというのが、1年前のコンセンサスだった。結果は予想以上に上出来だったようだ。NY証券取引所で11月撮影(2017年 ロイター/Brendan McDermid)

[ロンドン 5日 ロイター] - 2017年の世界経済および金融市場は「ゴルディロックス(適温)」になるというのが、1年前のコンセンサスだった。結果は予想以上に上出来だったようだ。

世界の株価は20%上昇し、経済成長率は2010年以来で最も高く、市場のボラティリティ(変動率)とジャンク債の利回りは過去最低に下がった。

逆張り派にとっては辛い1年だ。

ヘッジファンドの中で今年最も成績が悪かったのは、空売りに偏重する株式ヘッジファンドで、業界調査会社ヘッジファンド・リサーチによると1─10月のリターンはマイナス9.22%。これに対し、株式ヘッジファンド全体の指数は約11%、米S&P500種株価指数は18%、それぞれ上昇した。

今年の初め、弱気派が好んで口にしていたのが「長期停滞」、「政治リスク」、「弱い回復」などの呪文だったが、はっきり言って世界経済と市場は大いに沸き、これらの言葉は表舞台からひっそりと姿を消した。

中央銀行は引き続き寛大で、経済環境は驚くほど良好だったため、市場のボラティリティは抑えつけられた。

1年前、ロイターは顕著な逆張り予想を列挙した。当然ほとんどの予想は外れたが、いい線を行ったものもわずかにあった。

その1つが、UBSによるユーロ高予想だ。1年前の時点では、欧州はポピュリズムが台頭する中で選挙日程が目白押しで、政治面から見てユーロの雲行きは怪しかった。

年明けの相場は1ユーロ=1ドル強でスタートし、その後反発するとしても勢いは鈍いと見られていた。UBSは1.20ドルまでの上昇を予想し、実際8月にこの水準に達した。現在は年初から13%上昇しており、2003年以来で最も大幅な上昇で年を終えられそうだ。

もう1つは、HSBCの金利ストラテジスト、スティーブン・メージャー氏による予想で、10年物米国債利回りは第1・四半期に2.5%まで上がった後、1.35%に反落するというものだ。

確かにそんな感じになっている。3月に2.6%でピークをつけ、9月には2%割れ寸前まで下がった。チャートを見ると、アナリストがいかに米国債利回り予想を外し続けてきたかが一目瞭然で、メージャー氏の1.35%という予想は行き過ぎとは言え、大半の予想よりは実態に近い。

米連邦準備理事会(FRB)の利上げによってドルと米国債利回りは上昇し、新興国市場には逆風が吹くはずだった。年初に大半のアナリストが新興国市場に弱気だったのは驚くにあたらない。

しかし実際は、ドルは2003年以来で最も大きく下がった年となりそうだし、米国債のイールドカーブは過去10年間で最もフラットになり(長短金利差は縮小し)、新興国市場は活況を呈している。

新興国市場の株価は年初から30%上昇しており、今年の値上がり率は2009年以来で最大となる見通し。新興国市場の現地通貨建て債券は13%、ドル建て債は9%、それぞれ上昇した。

国際決済銀行(BIS)は、米国株のインプライドボラティリティ指標であるVIX指数に代わり、ドル相場が投資家のリスク許容度と金融市場のレバレッジを測るのに最適な指標になったと主張してきた。

BISのヒュン・ソン・シン調査責任者は昨年11月の講演で「ドルが上昇しているとき、リスク許容度は小さい。ドルは世界的なレバレッジ許容度のバロメーターなので、ドル高による勝ち組はいないかもしれない」と述べた。

新興国市場と世界全体にとって幸いなことに、ドルは年初から9%下がっている。

2017年が「コンセンサスの年」だったことを示す1つの指標として、今年は上場投資信託(ETF)に大量の資金が流入した。ETFは主要な株価指数と足並みをそろえて上下するパッシブ運用型商品だ。

アーンスト・アンド・ヤング・グローバルによると、ETFの運用資産は今年、25%超増えて4兆4000億ドルに達する見通しとなっている。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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