January 26, 2019 / 12:17 AM / 7 months ago

コラム:米著名投資家、ロンドン高級物件購入に踏み切った訳

[ロンドン 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米大手ヘッジファンド運用会社シタデルの創業者、ケン・グリフィン氏が、欧州連合(EU)離脱を控えて苦境にあえぐロンドン不動産市場に少し明るい話題をもたらした。

 1月21日、米大手ヘッジファンド運用会社シタデルの創業者、ケン・グリフィン氏(写真)が、EU離脱を控えて苦境にあえぐロンドン不動産市場に少し明るい話題をもたらした。米カリフォルニア州で2017年5月撮影(2019年 ロイター/Lucy Nicholson)

英フィナンシャル・タイムズ紙によると、同氏はバッキンガム宮殿近くのビルを9500万ポンド相当で購入。これはロンドンに対する一種の信任投票とも言えるが、大幅に値引きして買ったことを考えれば、もろ手を挙げて喜ぶわけにはいかない。

ヘッジファンドはタイミングがすべてだ。英国が数週間後、合意もないままEUから離脱する恐れがあるこの時機に購入に踏み切ったことは、この意味でさらに意外感が大きい。

その上、ロンドンの高級不動産はここ数年、ほとんど買い手を失っていた。プライベートバンクのクーツによると、2番目の住宅購入に対する税率引き上げや、マネーロンダリング(資金洗浄)への監視強化、強硬な形でのEU離脱(ハードブレグジット)の可能性といった悪材料が重なり、居住用高級不動産の価格は2014年から15%近く下がっている。また、ロンドンの住宅は売り手の希望価格を平均約11%下回る価格で販売されている。値引き率はパリの3倍以上だ。

こうした観点で見れば、グリフィン氏の投資は少し納得がいく。9500万ポンドという買い値は、開発業者など売り手の希望価格を34%も下回っている。最悪の場合でも、投資資金はある程度守られそうだ。

イングランド銀行(英中央銀行)の推計によると、合意なきブレグジットになれば、住宅価格は30%下がる可能性がある。しかし英国がEUと何らかの合意に漕ぎつけた場合には価格が上がるはずなので、賢い買い物だったということになる。売り手が得た教訓は、ブレグジットを巡る不透明感が晴れない限り、買い手の方が有利に商談を進められるということだ。

●背景となるニュース

・フィナンシャル・タイムズ紙によると、シタデル創業者で大富豪のケン・グリフィン氏は、バッキンガム宮殿近くの高級住宅を約9500万ポンドで購入。この物件は1億4500万ポンドで売りに出されていた。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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