June 28, 2014 / 1:37 AM / 4 years ago

コラム:市場が恐れる「地政学リスク」の正体

Edward Hadas

[26日 ロイターBreakingviews] - 今週バークレイズが発表した調査では、投資家たちは、向こう1年の金融市場で最も重大なリスクを地政学だと考えていることが分かった。こうした判断は、人々が数字よりもニュースのヘッドラインから多くの手がかりを得ていることを示している。

市場参加者は容易にパニックに陥る。バークレイズが昨年末に実施した投資家900人以上を対象にした同様の調査では、米緩和マネーの縮小や中国経済の減速に比べ、紛争や外交政策決定がリスク要因として挙がることはほとんどなかった。

現在最も大きな懸念材料は、イラクの混乱が中東全域に、そして世界の石油市場に波及することだ。だが、国際通貨基金(IMF)によると、トルコも含めた中東地域の経済規模は世界の国内総生産(GDP)のわずか6%にすぎない。

原油価格は確かに先行きを見通しにくいが、少なくとも、供給不足の兆しは見えない。神経質なトレーダーが北海ブレント先物を1バレル114ドルまで押し上げたが、それでも過去18カ月の平均をわずか4%上回っているだけだ。

世界経済の残りの94%はどうかというと、政治状況は今年初めとほぼ変わらず、いつになく安定している。欧州議会選挙では右派政党が躍進したが、銀行同盟のような対立しそうな問題においては着実に進展がみられる。米国でも、民主党と共和党の対立はそれほど波立ってはいない。

新興国に目を向けると、インドの総選挙は平和裏に終了し、中国の社会不安も大きな懸念材料とはなっていない。中南米も比較的安定している。

一方、世界のGDPの3%を占めるロシアは、リスク水準が上昇した。とはいえ、プーチン大統領は自身の野心が周辺国を越えるようなことはしていない。

心配性な人というのは、開戦から100年を迎える第1次世界大戦を例に挙げ、いつ何が起こるか分らないリスクを警戒する。当時は、今と同様に危険な状況には見えなかったにもかかわらず、戦争が勃発した。もちろん、惨事はいつ起こるか分からない。だが当面、最大の懸念は低金利、高いレバレッジと資産価格だと考えるべきである。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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