Reuters logo
コラム:イタリア左派の退潮、欧州の次の悩みの種に
2017年2月21日 / 04:43 / 9ヶ月後

コラム:イタリア左派の退潮、欧州の次の悩みの種に

[ロンドン 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - イタリアの左派の退潮が、欧州の次の悩みの種になりそうだ。レンツィ前首相は19日、与党・民主党(PD)の書記長(党首)を辞任。党首選に打って出たことで、同党分裂の可能性も出てきた。

 2月20日、イタリア左派の退潮が、欧州の次の悩みの種になりそうだ。写真右は、与党・民主党の書記長(党首)を辞任したレンツィ前首相。ローマで19日撮影(2017年 ロイター/Remo Casilli)

党内の対立は、イデオロギーの違いだけでなく政治的な駆け引きによるところも大きいが、親ユーロ派の民主党が弱体化すれば、イタリア政局はさらに混迷の度を深める恐れがある。

民主党は、レンツィ氏が党内の極左勢力を抑えて2013年に実権を握って以降、内紛が絶えない。レンツィ氏は、昨年の憲法改正の是非を問う国民投票で敗北を喫して首相を辞任したが、党首選では再選を決める可能性が濃厚だ。その場合、党内の反レンツィ派は新党を結成することを匂わせている。

イタリアでは、小政党が乱立。既成政治の打破を目指す「5つ星運動」が既成政党から支持を奪っている。次期政権は、過半数を取れない連立政権となる可能性が高く、特に現行の比例代表制が続く限り、小政党の発言力は大きくなる。イタリアの選挙制度は拘束名簿式で、レンツィ氏の再選が決まれば反レンツィ派の議員は再選が厳しくなる。

極めつけはレンツィ氏の野心だ。党が分裂すれば、民主党は少なくとも6分の1の支持を失う。世論調査によると、民主党の支持率は現在30%前後。レンツィ氏は、右派勢力から票を奪えば党勢を維持できると考えているのかもしれないが、同氏の支持率は最近、低下傾向にある。

民主党が分裂すれば、有権者の政治不信がさらに募り、ユーロ離脱を訴える5つ星運動や、欧州連合(EU)離脱を唱える「北部同盟」に票が流れる可能性もある。

親ユーロ派の最大勢力であり、改革への期待が最も持てる左派が分裂と弱体化のリスクにさらされる一方、右派はまとまりに欠け、ベルルスコーニ元首相の明確な後継者は見当たらない。

改革志向の強い政権が発足する見込みは薄く、極端な政党が支持を伸ばす可能性が高まっている。これはイタリアだけではなく、EU全体の懸念材料だ。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below