for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up
コラム

コラム:国民投票否決のイタリアに訪れる苦難の道

[ロンドン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 4日のイタリア国民投票の結果がもたらすのは不確実性であって、危機ではない。レンツィ首相は、自身が提唱した憲法改正が否決される見通しとなり、辞意を表明した。

 12月4日、イタリア国民投票の結果がもたらすのは不確実性であって、危機ではない。写真は反対派の人たち。ローマで撮影(2016年 ロイター/Tony Gentile)

彼の後継者がすぐさま直面するのは、資本不足の銀行に資金を確保させるという課題だ。より長期的に見た場合、イタリアは改革志向の強力な政権を欠いたまま、苦難の道のりを歩まざるを得なくなった。

レンツィ首相の敗北は、欧州連合(EU)離脱を決めた英国民投票、米大統領選でのトランプ氏勝利に次いで、今年3度目の既成政治への打撃となる。イタリアの状況は英米に比べれば劇的ではないが、それでも深刻だ。レンツィ氏が2014年に就任して以来進めてきた政治改革が水泡に帰す。この改革は、イタリアを低成長という泥沼から引っ張り出すために不可欠なものだ。国民投票結果はまた、多くのイタリア国民がレンツィ氏のリベラル的な経済政策に辟易したことを示唆している。

レンツィ氏の辞任後、イタリアが最初に取り組むべきは銀行問題となる。長年の低成長により、同国の銀行は多額の不良債権を抱えた。その1つ、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)BMPS.MIは50億ユーロの資金を必要としている。国民投票結果を嫌気して民間投資家が資金提供に背を向けるとすれば、政府が資本注入する必要が出てくるかもしれない。欧州連合(EU)の銀行救済ルールに違反しないためには、債券保有者も債務と株式の転換に応じる必要があるだろう。これは不都合なことだが、なんとか対処可能だ。

次の問題は、どのような新政権が誕生するかだ。最も確率が高いのは、左右の政党が協力し、新たな選挙法を制定するための専門家内閣を組むというシナリオ。国民投票の結果、イタリアは上院と下院で選挙制度がばらばらになってしまったため、新選挙法の制定は重要な一歩となる。レンツィ氏の後継者はまた、来年度予算を成立させ、前倒し選挙を実施する必要がある。レンツィ氏が舞台裏で手を貸そうとするかもしれないが、彼の影響力は大幅に弱まってしまった。

これはイタリアがかつてたどった道だ。最近では2013年の選挙で明確な勝者が決まらず、主要2政党が弱い政権を支えざるを得なかった。しかし今回の方が状況は悪そうだ。経済は低迷から抜け出せず、過激な「五つ星運動」が勢いを増している。五つ星運動はユーロを巡る国民投票の実施を望んでおり、レンツィ氏の失脚によって間接的な恩恵を受ける。イタリアが混乱に陥るとは限らないが、1年間は政局不透明感が続き、改革は後退し、成長は弱まる確率が高まった。この国にとって、どれも勘弁被りたいことばかりだ。

●背景となるニュース

*4日の国民投票で憲法改正が否決され、レンツィ首相は辞意を表明した。

*首相が提案した改正案は、上院の権限を縮小して議席を約3分の1に縮小する内容だった。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

*写真が正しく表示されなかったので再送します。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up