April 15, 2016 / 9:06 AM / 4 years ago

コラム:日本の「観光立国」、労働市場開放につながるか

[香港 15日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 月並みだが、観光は旅行者の思考を広げる。だが日本の場合は、逆のパターンかもしれない。外国人旅行者の観光ブームが、移民に対する日本の姿勢を変える一助となる可能性がある。

 4月15日、外国人旅行者の観光ブームが、移民に対する日本の姿勢を変える一助となる可能性がある。写真は都内の浅草寺で、着物などを着て記念撮影する外国人観光客。昨年5月撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)

日出づる国はすでに外国人観光客の急増を享受している。ビザ(査証)手続きの緩和や円安、移動手段の利便性もあいまって、中国人観光客が最も日本を訪れている。

昨年の訪日外国人数は1970万人で、2013年の約2倍となった。安倍晋三首相はその数を、東京で夏季五輪が開催される2020年までに4000万人まで増やすことを目指している。そうなれば日本は、観光立国の仲間入りをすることになる。2014年にそれ以上の観光客を集めたのは、フランス、米国、スペイン、中国、そしてイタリアだけである。

時折、日本人との緊張した関係が報じられるものの、外国人の訪日は、低成長とデフレから脱却できない日本にとって良い解毒剤である。日本は急成長している若い他国から、さらなる需要を効果的に取り込むことが可能だ。特にアジアからの観光客は、花王のアイマスクからファンケルの化粧品、オカモトのコンドームまで買いあさっている。安倍首相は、2020年までに8兆円の観光収入を期待している。

カネの話はさておき、観光がもたらす別の方法で日本が変わる可能性がある。西側諸国と比べ、日本は極めて同質的である。国際通貨基金(IMF)は昨年、日本の労働人口のわずか0.3%が外国人だと指摘した。大半の経済協力開発機構(OECD)加盟国の水準である5%強をはるかに下回る数字だ。

日本は看護師や建設現場で働く人材などがひどく不足しているため、これは問題である。日本の労働市場は1990年代以降、これほどひっ迫していなかった。一方、人口は高齢化が進み、向こう数十年で著しく縮小するとみられる。

IMFは日本が他の先進国を参考にすることを提案している。そのなかには、割り当てや、外国人労働者プログラム、労働者不足のセクターにおける外国人就労にもっと自由な裁量を与えることなどが含まれている。

減少する労働人口の解決策の一部として、女性や高齢者、そしてロボットが挙げられている一方、移民はいまだに概してタブーな話題であり続けている。もし観光客の数が数千万人に増え、外国人が日本人にとって少しでも身近な存在となるなら、彼らが帰国した後も、その影響はずっと長く残ることになるだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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