March 29, 2018 / 6:38 AM / 3 months ago

コラム:北朝鮮の金正恩氏、「変心」は本物の可能性

Pete Sweeney

 3月28日、北朝鮮の独裁者、金正恩・朝鮮労働党委員長(左)が、突然「いい人」を演じている。金氏は今週、北京を訪れ、中国の習近平国家主席(右)と会談。米国との交渉再開に前向きな姿勢を示し、「非核化」にも言及したという。北京で撮影。KCNA提供(2018年 ロイター)

[香港 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 北朝鮮の独裁者、金正恩・朝鮮労働党委員長が、突然「いい人」を演じている。平昌冬季五輪で韓国と関係改善に向け動き出した金氏は今週、北京を訪れ、中国の習近平国家主席と会談。米国との交渉再開に前向きな姿勢を示し、「非核化」にも言及したという。

これは、自国に科されている制裁を解除させるための見え透いた策略の可能性がある。解除されれば、再び「ゆすり」を始めるかもしれない。

だが、この若き指導者が本当に、もっとノーマルな発展への道を自国に歩ませる覚悟を決めた可能性もある。

政治的に抜け目のない金氏には、中国を信用せず、米国から身を守るために独自の核抑止力を欲し、年配の親戚や将軍らの中で元々は弱かった自身の国内での立場を強化する十分な理由があった。

しかし現在、金氏は国内外で安定した地位を得ている。したがって、制裁から抜け出すためにほほ笑むことは同氏にとって得策である。

金氏がさらに先を行くことを期待できる理由がある。

政権を握ってから、金氏は一定の経済自由化に寛容さを見せ、奨励さえしている。日用品を売る市場は発展し、計画経済は後退している。配給カードは次第に外貨を含む現金に取って代わられている。韓国のデータによると、北朝鮮の2016年経済成長率は、制裁下にもかかわらず、3.9%と17年ぶりの高水準だった。

また、金氏の態度軟化は、現実を受け入れてのことかもしれない。貧しくても読み書きはできる国民から、中国の発展を見えないようにしたり、韓国の豊かさについて言い逃れをすることなどもはやできない。

金氏は2016年、1980年以降で初となる朝鮮労働党大会を実施した。このことは、北朝鮮の体制を普通のスターリン主義国家へと進化させる心構えのある可能性を示唆している。現在のカルト的体制からは一歩前進し、もっと合理的な政策が可能となるだろう。

もしこの「ならず者国家」が、中国のような発展的独裁国家となり、私有財産を認め、兵器開発よりインフラを重視するのであれば、アジア全体が平和の配当を享受することになるだろう。

韓国はすでにその恩恵を受けている。金氏の方針転換によって、トランプ米大統領は、韓国とのFTA再交渉において多少なりとも妥協したようだ。

これまでは金一族を斜に構えて見るのが常に「正解」だったが、本当に「改心」した可能性にも世界は開かれた態度で臨むべきだ。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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