December 18, 2015 / 1:45 AM / 4 years ago

コラム:2016年の市場予測を台無しにする2つの要素

今年も終わりが近づくなか、長期的なマーケット予想が過熱している。金融市場にとって、予測が義務と化しているのであれば、残念ながらそれは全く時間の無駄である。大半の場合、2016年の見通しは予測できない2つの要素にかかっているからだ。

今年も終わりが近づくなか、長期的なマーケット予想が過熱している。ニューヨーク証券取引所で11月撮影(2015年 ロイター/Brendan McDermid)

その1つは原油相場だ。価格が上昇するか下落するかで、世界各国の金融政策に影響を及ぼし、ひいては債券、株式、為替市場の動向にも波及することになる。1バレル40ドルをはるかに下回る下落は、エネルギー企業が発行する高利回り債のデフォルト(債務不履行)や、エネルギーファンドによる売り越しを高める可能性を意味する。

しかし市場予測を行う人には、原油価格に何が起きるか見当もつかない。財政均衡化の必要性が、原油価格を押し上げるため石油輸出国機構(OPEC)加盟国を供給過剰の回避へ突き動かすかもしれない。一方で、米シェール企業のような高コスト生産者への圧力を強めるという現在の戦略を同加盟国が取り続ける可能性も依然としてある。

予測を困難にさせる2つ目の要因は中国だ。

今年に起きた株式市場の混乱は、中国政府が望む通りの経済的成果が得られるのか、投資家たちを不安に陥れた。急激な中国経済の減速は、世界の商品相場を一段と悪化させ、英豪系資源大手BHPビリトン(BHP.AX) BLT.Lやスイス同業大手グレンコア(GLEN.L)などの生産者をさらなる苦境に立たせることになる。

中国の通貨、人民元もどう動くか分からない。元が急落すれば、市場予測は大きく狂わされる。株式市場の混乱を招き、韓国や日本などアジア諸国は競争力を失い、不利な立場に置かれることになる。そして、そうした国々でも通貨安が連鎖するならば、世界的にディスインフレ傾向が強まるだろう。

たとえ全てが計画通りの場合でも、予測は誤る可能性がある。1年あまり前にゴールドマン・サックス(GS.N)が発表した2015年の市場テーマのトップテンを例に見てみよう。予測の根底にある考え方はおおむね正しいことが証明された。米国とユーロ圏の金融政策は異なる方向へと進み、原油価格にはダウンサイドリスクがあり、価格への圧力はほとんど見られない。だが、間違いもいくつかある。米10年債利回りが年末までに3%まで上昇するというのがその一例だ。

パーフェクトな人などいない。第2・四半期のドイツ国債利回り高騰や12月3日のユーロ急伸が示すように、投資家が皆、同じ方向に向かうときには価格動向は激しく変動する傾向にある。向こう数週間において、市場予測は役立つことが多々あるかもしれない。だが長期的な予測は、後で屈辱を味わうことをある程度覚悟する必要があるだろう。

(ロンドン 11日 ロイターBREAKINGVIEWS)

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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