September 30, 2018 / 12:01 AM / 17 days ago

コラム:市場下落に備えてFPと話し合っておくべきこと

[シカゴ 26日 ロイター] - ファイナンシャルプランナーのダグラス・ボーンパースさんが、10年前の米投資銀行リーマン・ブラザーズ破綻の直後に対応した、恐怖におののく顧客たちのことを忘れることは決してないだろう。

9月26日、ファイナンシャルプランナーのダグラス・ボーンパースさんが、10年前の米投資銀行リーマン・ブラザーズ破綻の直後に対応した、恐怖におののく顧客たちのことを忘れることは決してないだろう。フランクフルトの証券取引所で2008年9月撮影(2018年 ロイター/Alex Grimm)

「感情の爆発があった。涙もあり、怒りもあった」と、ボーンパースさんは振り返る。

リーマン・ブラザーズが連邦破産法11条の適用を申請して市場をパニックに陥れたとき、ボーンパースさんは24歳で、ファイナンシャルプランナーの仕事に就くためにフロリダ州からニューヨーク市に引っ越してきたばかりだった。

就職先での最初の仕事は、初めて会う顧客たちを落ち着かせることだった。「この世の終わりの真ん中にたたき込まれた」

10年がたったいま、ボーンパースさんは、「みな常に、次の危機の予兆を感じ取ろうとしている」と話す。

そこでボーンパースさんは、金融危機のさなかに経験を積んだ他のアドバイザーと同様、こうした潜在的な恐怖を無視しないことにしている。顧客が口に出さない場合でも、最悪のシナリオにあえて言及している。

金融アドバイザリーの世界は、新たな時代を迎えている。

金融危機後、信頼は回復しているとはいえ、金融アドバイスを受ける顧客の半数がいまもアドバイスの信頼性に不安を抱えていることが、コンサルティング会社セルリ・アソシエイツの最近の調査で示されている。

「今のアドバイザーは、次の景気後退を予期するよう顧客に告げているし、いつ状況が悪化するか予測できないと認めることをためらわない」と、セルリ・アソシエイツで個人投資家部門を担当するスコット・スミス氏は言う。

次の景気後退に備えるため、ファイナンシャルアドバイザーと話し合っておくべきことを整理した。

●シミュレーション

ニュージャージー州のファイナンシャルプランナーのジム・シャガワット氏は、125万ドル(約1億4000万円)相当の退職資金が、次に景気の急変化が起きた場合どうなるかの試算を顧客に示した。このポートフォリオの全額を株式で運用していた場合、金融危機(2008年ー09年)時の米国株式の最大下落幅である53%と同率の下落が起きれば、資産は66万3000ドル目減りし、わずか58万7000ドルになってしまう。

だがシャガワット氏は、退職資金を全額株式で運用することは推奨していない。56%を株式、残り44%を債券や現金で運用するという、やや積極寄りな折衷案を勧めている。

この場合の目減り幅は、危機の際のバランス型ポートフォリオの下落幅である35%で計算した場合、44万1000ドルに抑えることができる。

十分に手痛い損失かもしれないが、それでも、株式市場の歴史の中でも最悪期の1つを基準にしつつ、株式の損失の痛みを軽減するためにかなりの比重で債権投資をするこの試算を見て安心する人は多い。

それでも怖がる投資家には、「リスカライズ」というソフトウエアを使い、より保守的な株と債権の投資バランスをシャガワット氏は見せるようにしている。洋服を買う前に試着するのと同じように、投資家は異なる組み合わせを試算してみることができる。

●何度も相談

セルリ・アソシエイツによると、金融危機の際は、ファイナンシャルアドバイザーの57%が、顧客をより保守的な投資内容に移行させた。危機前に最悪の事態を想定した検討も行っていたなら、緊急避難的な内容変更は必要なかった可能性が高い。

もちろん、時がたつにつれて、人の感情や金融資産の状況は変化する。例えば、40歳の人は60歳台の退職生活に入ろうとしている人たちよりも多くのリスクを取ることが可能だ。

米国CFP資格認定委員会のジョン・ローパー氏は、ファイナンシャルプランナーは、すべての年代の顧客と定期的に連絡を取り、リスク状況について安心できているか確認すべきだと話す。

同年代の平均的なモデルとの比較を投資基準としたいと考える人は、ターゲット・デート・ファンド型の投資信託をモデルとして使うこともできる。その場合、相当なリスクを取るファンド会社もあれば、そうでない会社もあるということを認識しておこう。

自分の退職予定日を基準にした平均値は、投資情報会社モーニングスターが出している、2018年のターゲット・デート・ファンドの報告書に記載されている。

●使途によって分散

2008年の金融危機は、子どもの大学授業料を払っている親世代に、リスクを強く意識させる結果となった。モーニングスターによると、19歳向けの大学学資貯金プランのうち529件が、一定程度の株式を保有しており、2008年に約11%下落した。13ー18歳向けの貯金プランは、約19%下落した。

こうしたことを踏まえれば、すぐに必要になる資金については慎重に準備をしておくべきだ。

例えば、前出のローパー氏には大学生の息子がいるが、学資用の資産はすべてキャッシュにしてあり、授業料の払い込み通知が来たときに損失を抱えて対応できないという事態がないようにしている。

同じように、住宅購入の頭金や、5年以内に必要になる資金については、損失が出ないよう、定期預金やMMF、普通預金の形で持っておくべきだと、ファイナンシャルプランナーは顧客にアドバイスしている。

ボストンのファイナンシャルプランナー、クリス・チェン氏は、退職者に対して、市場の下落局面に備えて4年分の生活費をキャッシュで保有しておくようアドバイスしている。

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